ポラリスサマースプリントはデステージョが勝利
古馬短距離路線カウントアップ・スプリント第3戦「第2回ポラリスサマースプリント(シャンハイボビー賞)」が7月31日、門別競馬場1,200mコースで行われ、笠松競馬に所属する渡邊竜也騎手騎乗の1番人気デステージョ(牡5歳、小国博行厩舎)が外から力強く脚を伸ばして、2番人気ストリームに2馬身半の差をつけて優勝した。父ニシケンモノノフ、母スレドボ、その父コマンズ)。勝ちタイムは1分12秒6(稍重)。重賞勝利は4月のエトワール賞に続く2勝目で、この勝利で通算成績を36戦14勝2着8回3着7回とした。管理した小国博行調教師の重賞勝利は今年4月のエトワール賞(優勝馬デステージョ)に続く重賞勝利で通算11勝目。渡邊竜也騎手にとっては7月15日のいしがきマイラーズ(優勝馬シャイニーロック)に続くものでNAR通算15勝目。ホッカイドウ競馬の重賞は初勝利となった。
〝悲運の名馬〟からホッカイドウ競馬の〝スピードスター〟に。ホッカイドウ競馬でデビューし、高知競馬を経て、再びホッカイドウ競馬に戻ってきたデステージョが16度目の重賞挑戦で初のタイトルを手中にしたのが今年4月のエトワール賞。それは、それまでスペシャルエックス、ユメノホノオと歴史に名を残すような馬たちの後塵を拝し続けてきた悔しさを晴らすかのような大外一気の強襲劇だった。その後。59kgを背負ったエピファネイアプレミアムを快勝。このレースは、デステージョ時代の到来を強く印象付けるためにも負けられない1戦でもあった。
ゲートが開いて、真っ先に飛び出したのは9歳馬イッツクール。JRA時代には、ききょうSを逃げ切った快足馬でホッカイドウ競馬移籍後も長く短距離界を引っ張り続けているスピード馬だが、それを制するようにフルールカップの優勝馬で、条件戦を2連勝中のヨシノヒローインがハナに立つ。12秒5、10秒9だからスローとは言わないが落ち着いた流れになって馬群が固まる。2番手には押して押してエトワール賞2着ケイアイロベージがあがり、デステージョと人気を分けったストリームはこれらを見ながら3番手。
「前半はあまり無理をさせないように自然体で」というデステージョは、これら先行集団を少し離れた位置から見るような4番手からレースを進める。この馬とのコンビで7勝を挙げるなど、その強さを最も良く知る阿部騎手が手綱を取る3番人気ジャスパーメジャーは虎視眈々とインコースを追走し、ホッカイドウ競馬で16戦連続連対中のラッキーホープはいつの前にはデステージョを射程圏内に入れてレースを進める。
レースが動いたのは4角手前。4歳世代を代表する快足ストリームが先頭に立とうするも昨年12月の笠松GPでストリームを優勝に導いた渡邊竜也騎手がそれを許さない。並ぶ間もなく交わすと、最後は12秒6、12秒6であっさりと突き抜けた。
「パドック、そして返し馬と落ち着いていたので、自信をもって挑むことができた。プラン通りの乗り方で、結果を出せてほっとしている」と安どの表情でレースを振り返り、小国博行調教師も「ジョッキーが上手に乗ってくれた」と笠松競馬の〝若き、絶対的エース〟を褒めたたえた。
これからもホッカイドウ競馬のスプリント界を引っ張る存在になってくれそうだ。