旭岳賞はベルピットが勝利
ロシアのカムチャツカ半島の南東沖で発生した巨大地震の影響で7月30日の開催が取りやめとなっていた門別競馬場の「第11回旭岳賞(カラヴァッジオ賞)」は出馬投票をやり直して8月5日開催された。これによって南関東から参戦を予定していたヴィゴーレが回避したものの、断然人気が予想されたベルピット以下、北海道勢7頭は変わらぬメンバーとなった。
これが〝王者の走り〟だ。
勢いよくゲートを飛び出したのは9歳になったとはいえ、東京ダービー馬の看板を持つヒカリオーソ。しかし、ベルピットも譲らない。内からは3歳時には兵庫ChS(Jpn2)に勝ち、ジャパンDダービー(Jpn1)3着の実績を持つ6歳馬ブリッツファングが並びかける。JRA3勝クラス時代は精彩を欠いていたとはいえ、ホッカイドウ競馬移籍後3戦目。この馬には初騎乗の宮内騎手が勝負をかける。
最初の1ハロンは13秒0。ブリッツファングとベルピットが併走状態のままレースを引っ張り、それらをマークするようにヒカリオーソ。しかし、場内が沸いたのは2角手前までだった。
桑村真明騎手が「馬の行く気にまかせた」と手綱を緩めるとあっという間に後続とのリードが広がる。2ハロン目から11秒7、12秒0。12秒2、12秒2とスプリント戦並みのハイラップが刻まれ、一完歩ごとに後続との差がどんどん広がる。そのラップについていける馬はいない。離れた4番手に金沢競馬から移籍してきた9歳馬モダスオペランディと11歳馬ヒストリーメーカーが続き、JRA3勝クラスから新天地を求めてきた6歳馬ドラゴンゴクウと9歳馬スコルピウスが後方からという展開。
レース後に「内回りコースなのでコーナーでの反応が悪かった」と桑村真明騎手。しかし、3角をまわる頃には後続との差は6馬身ほどに広がり、直線に入るとその差はさらに広がった。最後の3ハロンを13秒1、13秒0、13秒2でまとめ終わってみれば2着馬に2秒4の大差勝ち。2着馬から7着馬までが1秒1差だったことから力の差は歴然だった。
この勝利でベルピットは門別競馬場の重賞競走に限れば8連勝。昨年はカウントアップM(ミドル・マイル)の5レースを完全制覇し、今年もこれで3連勝。管理する角川秀樹調教師は「自分の競馬が出来れば強い馬。今日はリラックスして、自分のリズムで競馬が出来た」と振り返り「昨年と同じローテーションを予定している。暑い夏を無事に乗り切って、無事に道営記念を迎えたい」とコメント。次走は9月の瑞穂賞であることが示唆された。角川秀樹調教師にとっては今年6月の赤レンガ記念(優勝馬ベルピット)に続く重賞勝利となり今年3勝目でNAR通算141勝目。桑村真明騎手にとっても今年6月の赤レンガ記念(優勝馬ベルピット)に続く重賞勝利となって今年3勝目。通算69勝目の重賞勝利となった。