王冠賞はソルジャーフィルドが勝利しホッカイドウ競馬史上8頭目の三冠馬に
ホッカイドウ競馬の三冠クラシック最終戦「競馬ブック杯 第46回 王冠賞(グレナディアガーズ賞)」が24日、門別競馬場1,800mで行われ、1周目ゴール板を後方3番手で通過した小野楓馬騎手騎乗の1番人気ソルジャーフィルドが、外をまわりながら豪快に脚を伸ばし、1分56秒7(良)で優勝。5月の北斗盃、6月の北海優駿に続く勝利でホッカイドウ競馬史上8頭目の三冠馬となった。通算成績は12戦7勝2着3回3着1回。
管理する川島洋人調教師の重賞勝利は、今年の北海優駿(優勝馬ソルジャーフィルド)に続くもので通算12勝目。小野楓馬騎手の重賞勝利は、今年の栄冠賞(優勝馬ベストグリーン)に続くもので通算12勝目。いずれも王冠賞は初勝利となった。
打倒ソルジャーフィルドに名乗りを上げたのは8頭。門別競馬場の牝馬重賞4連勝中のゼロアワーは5.4倍の2番人気に支持され、北斗盃でソルジャーフィルドとアタマ差の好勝負を演じたウィルオレオールが6.1倍。ソルジャーフィルド含めた上位3頭が単勝オッズ10倍以下で、以下、北斗盃4着で北海優駿3着のジェーケーボンバーが16.6倍、北海優駿2着のバリウィール32.4倍という人気順。
この日の門別競馬場には一昨年のベルピットに続く三冠馬誕生の瞬間を一目見ようと700人を超えるファンが足を運んでレースを見守った。
ゲートが開いて、レースを引っ張ったのは笠松競馬の〝絶対エース〟3年連続でリーディングジョッキーに輝いている渡邊竜也騎手に乗り替わったバリウィール。落合騎手騎乗のゼロアワーを制し単独で1角をまわる。前半3ハロンが38秒9だから、馬場状態が異なるとはいえ36秒6だった北海優駿に比べるとかなりのスローペース。これらを見るような位置にウィルオレオーレが中団で、小野楓馬騎手は、厳しいマークを受けた北海優駿の轍を踏まぬように外目をまわりながら石川騎手をマークする。愛馬に対する絶対的な自信がなければできない位置取りだ。向こう正面に入っても隊列に変化はないが、渡邉竜也騎手は13秒台には落とさずに消耗戦の様相となった。そのペースに苦しくなったのは2番人気のウィルオレオールだった。勝負どころの3~4角の中間地点。逃げ、先行馬を追うはずの4番手に位置していたウィルオレオールが力尽きるのと、小野楓馬騎手のゴーサインはほとんど同じだった。外をまわりながら一気に先行集団を射程圏内に収めると、直線半ばで逃げたバリウィールを交わし、最後方待機から直線勝負にかけたジェーケーボンバーを抑え込んだ。
「ウィルオレオールを見るような位置でレースをしたかったが、(ゴーサインを出してから)凄い脚だった。抜け出してからは大丈夫だと思い、自然とガッツポーズが出てしまった」と笑顔でレースを振り返り、川島洋人調教師は「嬉しいというよりもほっとしている。調子も良く理想的な競馬が出来たと思う。ジャパンダートクラシック(Jpn1)で(京浜盃(Jpn2)の)リベンジをしたい」と表情を引き締めた。