馬産地ニュース

リリーCでリュウノフライトが重賞初勝利

  • 2025年08月01日
  • 初めて経験する控える競馬もあっさりとクリアしてレースセンスの高さを示した
    初めて経験する控える競馬もあっさりとクリアしてレースセンスの高さを示した
  • 自身にとって2つめの重賞タイトルをかみしめる宮内勇樹騎手
    自身にとって2つめの重賞タイトルをかみしめる宮内勇樹騎手
  • 5馬身差は1,000mで行われたリリーCの最大着差
    5馬身差は1,000mで行われたリリーCの最大着差
  • この勝利で秋にはJRA勢力を迎え撃つ形となった
    この勝利で秋にはJRA勢力を迎え撃つ形となった
  • 左端が山口竜一調教師
    左端が山口竜一調教師

 ダートグレード競走のエーデルワイス賞(Jpn3)を頂点とするホッカイドウ競馬の2歳牝馬重賞路線第1弾JRA認定「HTB杯第22回リリーC(H3、ホットロッドチャ-リー賞)」が7月23日、門別競馬場1,000mコースにおいて8頭立てで行われ、先行集団を見るような位置でレースを進めた宮内勇樹騎手騎乗の1番人気リュウノフライトが最後の直線で弾けるように伸びて優勝。デビュー2戦目で重賞初勝利を記録した。勝ちタイムは1分0秒8。管理する山口竜一調教師にとっては昨年の北海優駿(優勝馬パッションクライ)に続く重賞勝利で通算4勝目。宮内勇樹騎手にとっては今年のフロイラインスプリント(優勝馬ワンダーウーマン)に続く重賞勝利で通算2勝目のタイトルとなった。

 8頭立てながらも、単勝オッズ10倍以下の馬が6頭。キャリアの浅い馬同士とはいえ戦前のオッズに迷えるファン心理が表現されていた。1番人気は、レース後に山口竜一調教師が「(100mの)距離(の短縮)が心配だった」という1戦1勝のリュウノフライト。全く同じ3.5倍で前走同距離のアタックチャレンジ競走を4馬身差で逃げ切っていたミソドレミが続き、3番人気と4番人気も落合騎手騎乗でウィナーズチャレンジ4着のトリップスと、阿部勇樹騎手が手綱を取った1戦1勝ミスティライズが同じ5.7倍で分け合う混戦模様だったが、終わってみれば「普段は朝、厩舎に行っても寝ているような馬」(宮内勇樹騎手)リュウノフライトの圧勝劇。一躍、ニュースター候補へと躍り出た。

 スピード自慢が顔を揃えた1戦。ダッシュ良くゲートを飛び出したのはリュウノフライトだったが、外からトリップス、ミソドレミが続く。最低人気のポルタロマーナも食らい付こうとするも、すぐに手応えを失い脱落。その中からまず抜けだしたのは服部騎手騎乗のスプリンガフォートだった。4頭がひと固まりのまま最初の1ハロンを12秒で通過し、さらに11秒3とペースを上げるとあっという間に前の4頭と後ろの4頭の差が開く。リュウノフライトは競り合いを避けるかのように1度下げて前を追い、ポツンと最後方から進んだミスティライズも追い上げを開始。

 「上手に折り合うことが出来たし、初めて経験するキックバックも気にするところはなかった」と宮内勇樹騎手。抜群の手応えのまま4角をまわり「外に出したら弾けてくれるだろう手応えがあった」と言う言葉通りにあっという間に後続を突き放した。最後方から追い上げたミスティライズが5馬身差2着で、やはり後方待機のスルーザミルが3着。結果的には先行馬総崩れとなった展開で、リュウノフライトの強さばかりが目立った1戦となった。

 「周囲の方々のサポートのおかげで勝つことができた。まだ成長してくれるはず」と愛馬に絶対の信頼を寄せ、山口竜一調教師も「本質的には1000mの馬ではなく、距離が伸びた方が良い馬。先につながる競馬をして欲しかったので、そういう指示どおりの競馬をしてくれた」とジョッキーを称えた。

 このあとは、8月20日のフルールCをステップにエーデルワイス賞(Jpn3)へと向かうという。3歳で道営記念を制したリンノレジェンドの半妹が、新しい歴史を門別競馬場に刻み込んだ。