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JRA北海道シリーズの函館開催が閉幕

  • 2025年07月23日
  • 第12競走まで多くのファンが競馬場で歓声を上げた
    第12競走まで多くのファンが競馬場で歓声を上げた
  • 函館2歳S(G3)に勝利したエイシンディード
    函館2歳S(G3)に勝利したエイシンディード
  • 函館開催リーディングジョッキーは横山武史騎手が獲得
    函館開催リーディングジョッキーは横山武史騎手が獲得

 7月20日、函館市駒場町にある函館競馬場において、6月14日から開催していたJRA北海道シリーズの函館開催が閉幕した。
 本年の函館開催は1開催12日間の日程で開催。12日間での入場人員は94,093名。前年より4,196名増加した。12日間合計の売得金は95,608,916,900円。対前年比100.7%となった。

 最終日の20日は3連休の中日に加え、好天に恵まれたこともあり、開門と同時に多くのファンが函館競馬場に来場。短い夏の函館競馬を思う存分楽しんだ。

 函館競馬最後になる第5競走に組まれた芝1,800mの2歳新馬戦メイクデビュー函館は、2023年のLプレリュード(Jpn2)、2024年のクイーン賞(Jpn3)、2024年のスパーキングLC(Jpn3)などを制覇したアーテルアストレアの半弟になるアーレムアレスが、1番人気のハムタンを退けて1分48秒7のタイムで優勝。第6競走の3歳未勝利戦では3番人気のヒットザグラウンドが勝利し、騎乗したホッカイドウ競馬所属の落合玄太騎手は、JRA初勝利を記録した。

 落合玄太騎手は「本当にうれしい気持ちでいっぱいです。先頭に立ったときは後ろから来ないでくれ、早くゴールが来てくれとおもっていました。幼少期から目指していた舞台で勝つことができて本当に本当にうれしいです。レースに向かう気持ちという点については一緒ですが、ふだんは乗らない芝コースや大勢のお客様の前で騎乗するという点については、いつもと違った気持ちで臨みました。(セレモニーに集まった他の騎手たちに対して)
 地方競馬から来た僕にも、温かく迎えてくれて本当にありがたいです。このレースで勢いをつけて、このあとの函館2歳S(G3)でも良いレースができるように頑張ります。応援ありがとうございます。ホッカイドウ競馬・地方競馬も観ていただけるとうれしいです」とよろこびを爆発させた。

 メインの第11競走は今年最初のJRA2歳重賞競走になる第57回函館2歳S(G3)。R.キング騎手が騎乗した9番人気のエイシンディードが好スタートから先手を奪い1分08秒4のタイムで逃げ切り、2023年生まれの2歳世代として最初のJRA重賞勝ち馬になった。

 エイシンディードは父がファインニードル、母がエーシンエムディー、母の父がキングカメハメハという黒鹿毛の牡馬。(株)栄進堂が所有、栗東の大久保龍志厩舎が管理、浦河町上向別にある山田昇史氏の生産で、祖母は1999年のチューリップ賞(G3)、2001年の中山牝馬S(G3)などを制覇したエイシンルーデンスになる。2025年5月29日にホッカイドウ競馬でデビューし2戦1勝の成績を残し、JRA転入初戦で大仕事をやってのけた。

 函館開催のリーディングジョッキーは、17勝をあげた横山武史騎手が2年連続5度目の獲得。第12競走後のリーディングジョッキー表彰式で、北海道競馬記者クラブから「北海道競馬記者クラブ賞」が贈られた横山武史騎手は「リーディングを目標として掲げていたので、獲りたい気持ちがありましたし、今日は1勝しかできませんでしたが、なんとか逃げ切れてよかったです。本州と比べると暑さも比較的緩やかで過ごしやすく好きな競馬場なので、今年も無事怪我なくリーディングを獲れて良かったです。
 小さいころから北海道はたくさん来ているので、第2の地元と言っても過言ではない場所だとおもっていますので、本当にうれしいです。これからどんどん暑さも増していくかとおもいますが、ジョッキー一同で競馬をより一層盛り上げていきますので、お客様も関係者の皆さまも体調には気をつけていただきたいとおもいます」と話した。

 16時30分からは芝コースの馬場開放が行われ、最後まで残ったファンが名残惜しそうに芝コースの感触を笑顔で歩いた。