ノースクイーンCは1番人気サンオークレアが優勝
上位3着馬までに8月28日に行われる第37回ブリーダーズGC(Jnp3)への優先出走権が付与される第24回ノースクイーンCが、グランダムジャパン2025古馬秋シーズン第3戦として7月17日、門別競馬場1,800mコースで行われ、好位を進んだ石川倭騎手騎乗の1番人気サンオークレアが2着ラブラブパイロに4馬身差を付けて先頭ゴールイン。通算成績を34戦15勝2着4回3着4回(重賞4勝)とした。
勝ちタイムは1分56秒7(やや重)。管理した五十嵐冬樹調教師にとっては昨年のグランシャリオクイーンズ(優勝馬サンオークレア)に続く重賞勝利で通算3勝目。この日の第1競走で通算1,300勝を記録した石川倭騎手にとっては今年のフロイラインカップ(優勝馬ゼロアワー)に続く重賞勝利で通算56勝目の重賞タイトル。
現役ジョッキー時代には歴代最多5勝をあげた五十嵐冬樹調教師は、調教師としてノースクイーンC初勝利、騎乗した石川倭騎手にとっては2022年のネーロルチェンテに続くノースクイーンC2勝目となった。
グランダムジャパン古馬春シーズンの女王が、前走で復調をアピールし連覇を狙う南関東からの刺客ラブラブパイロ、進境著しいポルラノーチェを迎え撃つ1戦。しかし、兵庫女王盃(Jpn3)、エンプレス杯(Jpn2)とJRAの強豪相手に健闘を続けてきた女王の座は揺るがなかった。
逃げ馬不在の1戦。しかし、大方の予想どおりにラブラブパイロがハナを主張。ロフティフレーズとサンオークレアも前を伺おうというところ、それらを制するようにポルラノーチェが外からプレッシャーをかけに行くも、石川倭騎手はあっさりと前を譲ってポルラノーチェの外に馬を導く。
レース後、石川倭騎手が「自分がレースを作っている感じ」と表現したシーンがここだろう。スタートして最初の2ハロンは昨年とほぼ同じペースだったが、2角手前でペースが落ちる。向こう正面に入ると、このペースを嫌ったポルラノーチェが一気に前を詰めるも、ぴったりとサンオークレア。
しかし、ラブラブパイロも譲らない。向正面半ばから、3頭がほぼ併走状態のまま4角をまわり、最初に脱落したのはポルラノーチェだった。懸命に粘り込みを図るラブラブパイロをサンオークレアが交わしたのは残り200mハロン棒過ぎ。レースは、そこで決まった。「今日は自信がありました。ずっと手応えもよく、乗っていて、安心できました」と石川倭騎手。五十嵐冬樹調教師も「ここにきて状態が上がっているのを感じた。強い競馬をしてくれた」と笑顔。
後半4ハロンのレースラップ12秒1、12秒7、13秒0、13秒4が過酷な中盤戦となったことを物語る。最後は余力をたっぷりと残すようにゴールしたサンオークレアの強さばかりが目立つレースとなった。
これで次走はダートグレードのブリーダーズGC (Jnp3)。地元でJRA勢を始めたとする全国の強豪を迎え撃つ立場になった。「相手は強くなるが、とにかく無事に」という五十嵐冬樹調教師。ジョッキー時代からその背中を知る愛馬に静かにエールを送った。