JRA札幌競馬場が実馬を使用した小学校出張授業が行われる
JRA札幌競馬場は7月17日、札幌市手稲区の札幌市立手稲鉄北小学校において「実馬を使用した小学校出張授業」を行った。これは、文部科学省が学習指導要領に定める「総合的な学習の時間」を活用したもの。
授業を受けたのは同校2年生の約90人。札幌競馬場の堀内淳副場長が講師となり「馬はともだち。サラブレッドとしたしもう」をテーマに、スライドを使いながら、馬という動物の特徴や個性、目や耳、鼻の役割、進化の過程で速く走るために中指だけ発達したことなどを説明したのち「馬の種類」と「種類によるスピードの違い」「歩き方、走り方の違いと、それぞれのスピード」「好きな食べ物」などをクイズ形式で子供たちに問いかけた。
また、馬に関わる仕事として「獣医師」「装蹄師」「騎手」「調教師」「生産、育成牧場で働く人」などを紹介し「この中から1人でも、そう仕事に興味を持ってもらえたら嬉しいです」と、理解を求めた。
その後は校庭に移動し、実際の馬とご対面。この日、手稲鉄北小学校に登場したのは誘導馬として活躍するサラブレッドのフェスティヴキングと、どさんこのマカロン、ミニチュアホース(ポニー)のヒナとモック。フェスティヴキングは「常歩」「速歩」「駈歩」を実際に披露。その迫力に子供たちからは歓声があがり、ミニチュアホースの障害飛越には拍手。その後は競馬場が用意したこれら4頭とのふれあいタイム。
15人ずつ2組に分かれて行われた「徒競走」では馬のスピードに驚き「この馬は、馬の中では足が速い方ではなかった」と聞かされてまたびっくり。
この日は30度を超える真夏日となり、馬も子供たちも十分な水分補給をしながらの出張授業となったが、初めて馬に触る子供たちも多く「同じ馬なのに(サラブレッドとポニーで)、大きさが全然違うのが面白い」「もっと硬い動物かと思っていたけど、柔らかいので驚いた」「触ろうとしたら、鼻水(正確には馬に与えた水が鼻についたもの)かけられた」と笑顔ではしゃいでいた。
また、普段はあまり目にすることがない馬具や飼料、馬運車などにも興味津々。珍しそうにペレットや燕麦、寝藁などを手に取ったり、馬運車の中を覗き込んだりしたが、中でも人気を集めたのが練習用の乗馬マシーン。代わる代わりにマシーンにまたがりジョッキー気分を味わっていた。
植田嘉奈子場長は「一緒に走って馬の速さを実感してもらう一方で、触ってもらうことで馬の可愛さを感じてもらえたと思う。今日の経験を、良い経験として子供たちが記憶してくれたら嬉しい」と笑顔で感想を述べた。