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セレクトセール当歳セッションが開催される

  • 2025年07月17日
  • 最高落札馬となったミッドナイトビズーの2025
    最高落札馬となったミッドナイトビズーの2025
  • ミッドナイトビズーの2025
    ミッドナイトビズーの2025
  • シンプリーグロリアスの2025
    シンプリーグロリアスの2025
  • 牝馬最高のノーワンの2025
    牝馬最高のノーワンの2025
  • 牝馬最高のベラソフィアの2025
    牝馬最高のベラソフィアの2025
  • 笑顔でインタビューに応える会長代行の吉田照哉氏
    笑顔でインタビューに応える会長代行の吉田照哉氏

 日本競走馬協会主催のセレクトセール当歳セッションが7月15日、苫小牧市のノーザンホースパークで開催された。240頭が上場されて、うち228頭(牡156頭、牝72頭)が落札。95.0%の売却率で、過去最高となる18,869,400,000円(税込、以下同)を売り上げた。総売上げのほか平均価格の82,760,526円、中間価格の55,000,000円はいずれもレコードを更新した。

 驚異的な売却率と総売上げを記録した1歳セッションの余韻冷めやらぬ中、始まったせりはスタートからヒートアップ。

 そんな中で、最高価格は上場番号344番「ミッドナイトビズーの2025」(牡、父イクイノックス)。母は2019年に3つのG1競走含み重賞7連勝を記録し、同年のエクリプス賞古牝馬チャンピオンに輝いた活躍牝馬。2020年サウジカップでは1位入線馬の失格による繰り上がりだったが、このときはベンバトル(本邦輸入種牡馬)に2馬身の差を付けて優勝している。

 場内が固唾を飲んで見守る中、1億円からスタートしたせりは、途中から1,000万円単位でのせり上げとなり、5億円を超えてもまだ意地とプライドをかけた戦いは歴代2位となる638,000,000円でネブラスカレーシングに軍配が上がった。

 これに続いたのは上場番号407番「シンプリーグロリアスの2025」(牡、父キタサンブラック)。祖母が全欧2歳牝馬チャンピオンで、おじに全欧2歳牡馬チャンピオンのユーエスネイヴィフラッグや、サンチャリオットS(G1)などG1、3勝のローリーポーリーなどがいる華麗なるファミリー。6,000万円からスタートしたせりは約5分後に5億円となったところでハンマーが打ち落とされた。

 一方、牝馬の最高落札馬価格は187,000,000円で2頭が並んだ。上場番号361「ノーワンの2025」(牝、父イクイノックス)と同376番「ベラソフィアの2025」(牝、父イクイノックス)。

 前者は2019年フィリーズレビュー(G2)の優勝馬。現役引退後、22年のジェイエス繁殖馬セールにて72,600,000円で売却され、本馬が第3仔。田畑利彦氏によって落札されている。

 後者の母はテストS(G1)優勝馬で、BCフィリー&メアスプリント(G1)の4着馬。寺田寿男氏が競り合いを制している。2日間トータルの売り上げ35,970,000,000円は過去最高となり、平均価格の79,403,974円、中間価格の50,600,000円も過去最高となった。

 セール終了後、日本競走馬協会会長代行の吉田照哉氏は「世界中の人が驚くようなせりになったと思う。2日間を通して1億円以上の馬を送り出した種牡馬が20頭を超えたように種牡馬の層が厚く、また繁殖牝馬のレベルも上がっている。日本の血統レベルが上がっている。
 種付料にしても、繁殖牝馬の導入にしても生産者が思い切った投資が出来るのは、購買者の方々がそれに応えてくれるから。そういう状況の中でキタサンブラックがいて、コントレイルがいて、イクイノックスという期待感を抱かせる種牡馬がいるから値段が高騰する」と述べ、
 「血統だけではなく、調教や育て方も進歩している。競馬は国際的なエンターテイメントで、先に発表されたロンジンワールドベストレースホースランキングを見ても、日本の馬たちが確実にそこに入り込んでいる。だから良い馬を欲しいという方々がいて、それに応えようという生産者がいる。だから盛り上がるのだと思います」と総括があった。