育成調教技術者養成研修の体験入学会が行われる
6月27日、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC:草野広実理事長)において、育成調教技術者養成研修の体験入学会が行われた。
この体験入学会は、BTCの育成調教技術者養成研修の体験により、育成調教技術者の仕事への理解と、進路の参考にしてもらう目的で実施。この日の体験入学会には、14歳から24歳までの19人が北海道内外から参加した。
この日早朝、BTC事務所前に集まった参加者は、貸し切りバスに乗り込み、直線2,000mの芝馬場や1,600mと800mのトラック砂馬場、1,600mと1,200mの直線砂馬場、屋内の1,000m直線ウッドチップ馬場、600mトラック砂馬場、1,000m坂路馬場といったBTC調教場の施設を見学。広大な北の大地とさまざまな調教施設に目を奪われた。
続いて研修生が1年間、寝食を共にする研修寮のあかしあ寮を見学。2023年に移転新築されたあかしあ寮は完全個室で、個室は空調やユニットバスが完備され、ベッドや机なども備え付けられている。BTC教育課の小守智志教官は、プライベート空間が確保されていること、各階に洗濯室や談話室があること、平日は3食用意されていること、個室には家具が揃っているため身軽な状態で入寮できることなどを説明し、ユニットバスのシャワーカーテンは汚れるので各自持参すること、水回りはとくにきれいに清掃することなど注意事項も伝えた。
トレーニング室では、トレーナーのアドバイスを基に研修生が個別で筋力トレーニングなどに取り組んでいることを説明。ホースシミュレーターにも騎乗体験し、参加者は「普段使わない筋肉を使ったのできつかった」、「まだ筋肉がプルプルしている」、「同じ姿勢をキープするのがきつかった」、「ホースシミュレーターから降りたのに、まだ体が揺れているみたい」など感想を述べた。
続いて今年4月に入講した育成調教技術者養成研修第43期生の研修の様子を見学。第43期生は入講からわずか2か月で800mトラックコースを周回する姿や各馬場での部班運動を披露した。
小守智志教官は「教官は大きな声で短い言葉で研修生に指示を出します。大きな声を出さないと研修生に聞こえないからです。騎乗中は瞬時に反応しないといけないので、指示は短く出します。一見、怒鳴っているように聞こえますが、決してそうではありません。けがをする危険もあるので研修生をおもってのためです。騎乗訓練が終わったら、指示が理解できていたかやさしく確認しますので安心してください」と説明した。
最後はあかしあ寮の食堂で第43期生と一緒に昼食。現役の研修生から研修の様子や寮での生活、休日の過ごし方、研修を受講した理由など情報を収集した。