第11回フロイラインCはゼロアワーが勝利
ホッカイドウ競馬に所属する3歳牝馬限定競走JBC協会協賛シャープアステカ賞「デイリースポーツ杯第11回フロイラインC」が6月26日、門別競馬場のダート1,700mで行われ、スタートから先手を取った新生ファーム(日高町)のオーナーブリーディングホースで1番人気ゼロアワー(佐々木国明厩舎・北海道)がゴールではさらに差を広げて大差勝ち。昨年のブロッサムC以来の重賞勝利で通算成績を11戦5勝2着2回3着1回(重賞4勝)とした。
管理した佐々木国明調教師にとっては初のフロイラインC制覇で4度目の重賞制覇。手綱を取った石川倭騎手にとってもフロイラインCは初勝利で、重賞勝利は今年4月の佐賀がばいスプリントに続き、通算55勝目の重賞タイトルとなった。
強い女王が帰ってきた。昨年、ホッカイドウ競馬でフルールC、フローラルC、ブロッサムCと重賞3連勝を記録し、暮れの東京2歳優駿牝馬2着、ユングフラウ勝2着、浦和桜花賞でも4着と全国レベルで健闘したゼロアワー。
これまでは他地区のジョッキーにその手綱を委ねていたが、石川倭騎手とのコンビが実現した。「テンションが上がることがあると聞いていたが、そんなこともなく落ち着いてレースに臨むことができた」と石川倭騎手。
レース前、佐々木国明調教師からは「去年の競馬をイメージして」という作戦を伝えられたそうだが、ゲートが開くと外枠の6番人気スティールブライドが行く気を見せるが、譲らずにコーナーワークを利してハナを奪う。
しかし、ペースはゆったりだ。昨年のブロッサムCが7秒3~12秒0~13秒2だったのに対して、今回は7秒1、12秒0、13秒0。馬の成長を考えずとも、佐々木国明調教師が「今回はマークされる立場。早めに仕掛けてくる馬が出てくるのが嫌だった」と心配するほどのスローペース。3番手には前走C4級を逃げ切って2勝目をあげたヴィトーリアヘーザ。
これらを見るような形でフロイラインスプリント2着のトレヴェナ、同3着のヴィルミーキスミー、同4着のイイデマイヒメが好集団を形成し、JRA1戦のみで転入初戦をアタマ差で勝利したことで2番人気に支持されたヤマニンパッセ、南関東から転入し条件戦を2戦連続2着の3番人気アンジュパラディは後方から。
そんな中手応え十分に4角をまわったゼロアワーに最後を12秒9、13秒0でまとめられてしまっては、他馬は遠く離れていくゼロアワーの背中を見ることしかできなかった。レース後、石川倭騎手が「操作性も良く、息を入れながら逃げることが出来た。自分は乗っていただけ」とあきれるほどの強さだった。
佐々木国明調教師は「南関東からの長距離輸送の疲れはあったが、ケアしながら調整し、昨年の状態に近いところまでは戻っていたと思う。そういう状態ながらも一生懸命に走ってくれた」と馬に対して感謝の言葉をつづけた。
この日でホッカイドウ競馬は2025年シーズン全85日間のうち25日を消化。2歳ベストグリーン、3歳ソルジャーフィルド、そして古牡馬ベルピットに続くスターの登場。これらを脅かすライバルの登場を願ってやまないが、2歳ベストグリーンはともかく、異なるカテゴリーで実績を積み上げてきたこれらの直接対決が実現すれば、本当に楽しみだ。