九州1歳市場が開催される
2021年の北九州記念(G3)勝馬ヨカヨカ(のちにJRAブリーズアップセールにて取引)や昨年のひまわり賞優勝馬ケイテンアイジン、あるいは今春の佐賀がばいスプリントで4つ目の重賞タイトルを獲得したネオシエルなどを輩出した九州1歳市場(主催・九州軽種馬協会)が6月17日に鹿児島県のJBBA九州種馬場で行われた。
上場されたのは35頭の九州産馬。107人の購買登録者による激しい争奪戦が繰り広げられ、過去最多となる25頭(牡10頭、牝15頭)が、過去最高となる97,460,000円(税込、以下同)で取引された。71.4%の売却率は、九州1歳市場が現行スタイルとなった2003年以降で2006年に次ぐ成績、売上総額は6年連続のレコード更新となった。
セールに先立ち、柏木会長は「昨年はたくさんのご購買をいただき、生産者は大変勇気付けられました。小倉競馬場、佐賀競馬場ともに九州産馬に対して産地限定レースを用意していただくなどご支援をいただいており、市場取引馬は購買者の方々の期待に応える活躍をしております。生産者は、さらに生産頭数を増やす努力をしておりますので、積極的なご参加をどうぞよろしくお願いいたします」とあいさつ。せりは、オンラインビッドシステムを併用したハイブリッド方式で進行した。
最高価格は2頭。いずれも熊本県の本田土寿氏による生産馬で「タムロウイング2024」(牡、父アレスバローズ)と「カシノティーダ2024」(牝、父アレスバローズ)が7,700,000円で落札されている。
前者はおじに2017年のアンタレスS(G3)優勝馬モルトベーネ、JRAオープン馬マイネルグラシューなどがいる血統。「半姉のラインピクシー(3歳、父サトノダイヤモンド)はまもなくJRA初勝利の声が聞かれると思います」と紹介され、千葉県の (株)レックスが落札した。
後者は一昨年の九州1歳市場取引馬で、昨年のひまわり賞で豪快な追い込みを決めたケイテンアイジンの全妹という血統。こちらは「母のカシノティーダはひまわり賞の勝馬で、全姉もひまわり賞を制覇」と紹介され、東京都の犬塚悠治郎氏が争奪戦を制している。
セール終了後、柏木会長は「せりに向けて、しっかり仕上げられた馬が多かった印象で、購買者の方がそれに応えてくれたと思う。たくさんのご購買をいただき感謝申し上げます。こうした結果に生産者はさらに勇気づけられたと思うので、来年はさらに多くの馬が市場に上場してくると思う」と更なる市場の拡大に意欲を見せた。
なお、オンラインビッドによる参加希望者は昨年比18名増の40名。このうち15名が9頭のせりに参加し2頭が6,600,000円で落札されている。