馬産地ニュース

三石で第67回三石軽種馬1歳馬育成管理品評会が開催される

  • 2025年06月10日
  • 「写真提供/JAみついし」最優秀賞牡の部を受賞したナムラナデシコ2024
    「写真提供/JAみついし」最優秀賞牡の部を受賞したナムラナデシコ2024
  • 「写真提供/JAみついし」最優秀賞牝の部を受賞したポルケテスエーニョ2024
    「写真提供/JAみついし」最優秀賞牝の部を受賞したポルケテスエーニョ2024
  • 13頭が出陳した第67回軽種馬1歳馬育成管理品評会
    13頭が出陳した第67回軽種馬1歳馬育成管理品評会
  • 表彰を受けたよろこびの受賞者
    表彰を受けたよろこびの受賞者

 6月5日、みついし農業協同組合(JAみついし、澤田祐喜代表理事組合長)と三石軽種馬生産振興会(前田宗将会長)は、第67回三石軽種馬1歳馬育成管理品評会を開催した。

 この品評会は、JRA日本中央競馬会、公益社団法人JBBA日本軽種馬協会、HBA日高軽種馬農業協同組合、新ひだか町が後援し、(株)レックス、(株)ジェイエス、(株)優駿、(株)サラブレッド・ブリーダーズ・クラブ、ダーレー・ジャパン(株)ノミネーションオフィス、社台スタリオンステーションなどの軽種馬商社や北海道農業共済組合、雪印種苗(株)道央営業所、(株)長谷川熊吉商店、小田島商事(株)、(株)北海道ホースフィード、(株)ホクチク、(株)日高中部農協機械センター、日高米穀(株)、幌村建設(株)といった地元の軽種馬関連・関係企業などが協賛。育成管理技術の向上と会員相互の親睦を図ることを目的とする伝統行事で、今年は平取町軽種馬生産振興会が1歳馬の品評会に開催を中止したため、日高管内で唯一の1歳馬品評会になった。

 第67回目を迎えた今年は牡6頭、牝7頭の合計13頭が出陳。審査員はJRA日高育成牧場吉田年伸場長とJBBA静内種馬場遊佐繁基場長が務めた。

 品評会には2人と審査員のほか、振興会会員、JRA、HBA、BTC軽種馬育成調教センター、新ひだか町、北海道日高振興局の職員などが出席。出陳牧場を巡回して、出陳馬のコンフォメーション、成長状態、歩様、肢勢管理、飼養管理、曳き馬、展示方法、人馬の信頼関係、手入れ状態など細部にわたってチェックした。

 厳正な審査の結果、牡の部の最優秀賞はナムラナデシコ2024、牝の部の最優秀賞はポルケテスエーニョ2024に決定。ほかにも優秀賞、優良賞、ベストターンドアウト賞、みんなが選んだ馬大賞も発表された。

 表彰式では主催者を代表して三石家畜品評会長の澤田JAみついし代表理事組合長が「本日は日高育成牧場吉田場長様、日本軽種馬協会静内種馬場遊佐場長様をはじめ、巡回審査にあたっていただいた関係者のみなさまにおかれましては、ご多忙のところ、たいへんありがとうございました。また、このたびの育成管理品評会に出陳いただいた生産牧場のみなさまにおかれましても、牧草収穫前の準備等でお忙しいなか、たいへんおつかれさまでした。今年で67回目を迎えた、歴史ある育成管理品評会も、みなさまにご協力いただいたおかげで、事故もなく無事終えることができましたことに対しまして、改めてあつく御礼申し上げます。6月に実施する本品評会は、セールへ向けて生産者意識を高めるひじょうに重要なイベントとして位置づけられております。
 本日、出陳された1歳馬は、来月のHBAセレクションセールに5頭、8月のサマーセールに7頭、上場予定しております。その際には、さらに成長した姿をセール会場でご確認いただければ幸いでございます。このあと、懇親会もございますが、貴重な機会ですので、馬づくりについての情報交換などを交えながら懇親を深めていただければとおもいます」とあいさつ。受賞者には三石家畜品評会、北海道日高振興局、JRA、JBBA、HBA、三石軽種馬生産振興会や協賛団体、協賛企業から、賞状やトロフィー、金一封、三石のブランド豚である健酵豚、三石のブランド牛として全国的に知られるみついし牛など、抱えきれないほどの賞品が贈呈された。

 JRA日高育成牧場吉田年伸場長は「67回を迎え、ひじょうに歴史のある品評会、コロナで2回ほど中止もあったようですが、2022年に再開しましてですね、また、こうやって4年連続で本日三石の品評会が開催されるということで、ほんとうにおめでたくおもいます。今日はバスで巡回しながら、気持ちよく、楽しく、品評会に参加させていただきました。僭越ながら審査員をやらせていただいたんですけど、馬の成長や馬格、コンフォメーションといったものだけではなくてですね、多くの馬がこれからせりに出品されるとおもいますので、手入れだったり、蹄の管理、曳き馬や展示の仕方、展示の場所なども含めて、総合的に審査をさせていただきました。
 1歳のセレクションセールやサマーセールをイメージして見させていただきましたが、まだせりまでひと月半、ふた月半あるわけですが、ほんとうにレベルが高く、甲乙つけがたい出陳馬たちであったとおもいます。また、展示や曳き馬のレベルもですね、みなさん揃って高いものを見ることができました。引き続き、セール売却に向けまして、しっかりと馴致や手入れを進めていただいて、準備や努力を重ねた分だけ本番での成果につながるのではないかとおもっておりますので、よろしくお願いいたします。
 わたしたちJRAの育成馬ではですね、2005年にブリーズアップセールがスタートしたのですが、その初年度の最高価格馬で重賞にも勝ったダイワパッションですとか、2年目のハロースピード、それから、4年目のセイウンワンダーといった馬たちが、いずれも三石の生産で、思い出に残るわれわれの育成馬でございます。今年のせりでも、そういった出会いがあるのではないかと考えて楽しみにしているところです。
 最後になりますが、今回の育成管理品評会、準備していただいたJAみついしや生産振興会のみなさま、そして、たいせつな生産馬を出陳していただきました牧場のみなさまに、あらためて感謝を申し上げます。こういった未来ある馬たちを皆さんで品評会を開催して、馬についての意見交換、そのあとの懇親会は、ひじょうに貴重な場であるとおもいます。こういった内容の濃い品評会を、来年以降もぜひ継続していただきたいとおもいます」と講評した。

 ナムラナデシコ2024を出陳した平野牧場の平野謙二社長は「生まれたときからバランスが良かったです。健康で順調に成長してくれたとおもいます。半兄のマンダリンヒーローが走った時の配合で、ミックファイアに負けたので、その父であるシニスターミニスターを交配しました。上場するセレクションセールまで順調にいってほしいですね。丈夫で健康なたくさんレースを使える競走馬にはってほしいです」。

 ポルケテスエーニョ2024を出陳した水丸牧場の水丸めぐみさんは「選ばれるとおもっていなかったのでびっくりしています。生まれたときは大きくておとなしかったです。スイッチが入ったらうるさいところがあるので今日はそれに注意しました。走るときはスイッチをオンにしてしっかり走ってほしいですね。セレクションセールに上場するので売れることを期待したいです」と喜びをかみしめた。

 結果は下記の通り(敬称略)。

〇サラブレッド牡の部
 最優秀賞:ナムラナデシコ2024(父シニスターミニスター) 
 出陳者名:平野牧場
 優秀賞:カフェドラペ2024(父ウィルテイクチャージ) 
 出陳者名:前田ファーム
 優良賞:カルディア2024(父デクラレーションオブウォー) 
 出陳者名:築紫牧場

〇サラブレッド牝の部
 最優秀賞:ポルケテスエーニョ2024(父インディチャンプ) 
 出陳者名:水丸牧場
 優秀賞:レディハピネス2024(父サートゥルナーリア) 
 出陳者名:前川勝春
 優良賞:レッドオランジュ2024(父チュウワウィザード) 
 出陳者名:城地牧場

〇ベストターンドアウト賞
 ダイカグラ2024(牝、父ニューイヤーズデイ) 
 出陳者名:折手牧場

〇第4回みんなが選んだ馬大賞!
 ナムラナデシコ2024(牡、父シニスターミニスター) 
 出陳者名:平野牧場