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グランシャリオ門別スプリントはストリームが優勝

  • 2025年06月09日
  • ストリームにとっては重賞6賞目
    ストリームにとっては重賞6賞目
  • 安堵の表情で引き揚げてきた岩橋勇二騎手
    安堵の表情で引き揚げてきた岩橋勇二騎手
  • グランシャリオ門別スプリント4勝は現役最多勝の岩橋勇二騎手
    グランシャリオ門別スプリント4勝は現役最多勝の岩橋勇二騎手
  • 笠松遠征からプラス6キロで過去最高の馬体重での出走だった
    笠松遠征からプラス6キロで過去最高の馬体重での出走だった
  • 右端が田中淳司調教師
    右端が田中淳司調教師
  • グランシャリオ(北斗七星)をイメージするような輝く優勝トロフィー
    グランシャリオ(北斗七星)をイメージするような輝く優勝トロフィー

 ホッカイドウ競馬のカウントアップ・スプリント第2戦「JBC協会協賛タワーオブロンドン賞第11回グランシャリオ門別スプリント」が5日、門別競馬場で行われ、浦河町の三嶋牧場生産で、道中は2番手のインを進んだ岩橋勇二騎手騎乗の1番人気ストリームが最後の直線で力強く脚を伸ばし、外から追い込んだケイアイロベージに1馬身の差をつけて優勝。通算成績を16戦8勝2着2回3着1回(重賞6勝)とした。勝ちタイムは59秒7(重)。管理する田中淳司調教師はグランシャリオ門別スプリント3連覇で通算6勝目。騎乗した岩橋勇二騎手も昨年に続く優勝で、同レース4勝目となった。

 人気は、時折不可解な敗戦を喫するもののホッカイドウ競馬が誇る快足ストリームと、JRA時代にはユニコーンS (G3)3着の実績がありダート1,200mのオープン特別を勝利している7歳馬ケイアイロベージが分け合った。前者が2.3倍に対して、後者は2.6倍。3番人気にはリリーカップの勝馬で、門別コースの1,000m戦に限れば4戦3勝のシシャモフレンドが4.3倍で続き、以下イッツクールが9.3倍。その他の馬はすべて15倍以上。上位人気4頭中3頭が田中淳司厩舎に所属しており、それらに対して小野望厩舎のケイアイロベージがどう立ち向かうかも焦点のひとつとなっていた。

 ゲートが開いて真っ先に飛び出したのは今シーズン初出走のジャスパーロイヤル。しかし、すぐにイッツクールが並びかけようとしたところ、これらを交わしてレースを引っ張ったのは大方の予想どおりに落合騎手騎乗のシシャモフレンド。持ち味であるアクセル全開の逃げで、ハナを奪ったあともグングンペースを上げる。最初の1ハロンは12秒4だったが、そこからギアを上げて11秒3。こうした流れをほくそ笑んだのは「1番枠は乗り方が難しい」とスタートに神経を集中させていた岩橋勇二騎手だ。「ゲートを出て気合を付けたら、馬が行く気になってくれた」と好位集団の仲間入り。スプリント戦らしく消耗戦の様相となる中で、一方のケイアイロベージは互角のスタートを切ったものの深追いはせずに最後方待機。

 3角過ぎから外から宮内騎手のドラゴンゴクウがストリームに並びかけて見せ場を作るが、前半3ハロン35秒5は、かつてこの門別競馬場でウィナーズチャレンジに勝ち、JRA2勝クラスを突破した馬にとっても厳しい流れだったようだ。自然と馬群がばらけるところケイアイロベージが3~4角の空いたインコースをスルスルと上がって、直線は人気上位3頭による激しい攻防となった。1度はリードを広げたシシャモフレンドを、残り200m標識過ぎから確実に追いつめ、残り100m程のところで先頭に。そのストリームを追うように伸びてきたケイアイロベージがシシャモフレンドを交わしたところがゴールとなった。

 「気を抜くようなところがある馬だが、今日は最後まで集中して走ってくれた。1番人気に応えられてよかった」とほっとしたような表情でインタビューに応える岩橋勇二騎手。田中淳司調教師は「難しい枠だったが、上手に乗ってくれた。このあとも馬の体調と番組を見ながら、次の目標に向かいたい」と気持ちを切り替えていた。