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ヒダカソウカップはポルラノーチェが勝利

  • 2025年05月23日
  • 最後は強いライバルを突き放してのゴールとなった
    最後は強いライバルを突き放してのゴールとなった
  • 前走から2kg絞って500kgでの出走だった
    前走から2kg絞って500kgでの出走だった
  • 牝馬戦線の主役へ堂々と名乗りをあげる勝利となった
    牝馬戦線の主役へ堂々と名乗りをあげる勝利となった
  • ホライゾネットを装着しているが内枠をクリアしての勝利となった
    ホライゾネットを装着しているが内枠をクリアしての勝利となった
  • 右端が田中淳司調教師、左から2番目が落合玄太騎手
    右端が田中淳司調教師、左から2番目が落合玄太騎手

 グランダムジャパン指定競走のノースクイーンカップ(7月17日)、ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)(8月28日)へと続く「JBC協会協賛マインドユアビスケッツ賞第11回ヒダカソウカップ」が5月22日、北海道の門別競馬場内回り1,600mコースで行われ、中団やや後方から早めに動いた落合玄太騎手騎乗の1番人気ポルラノーチェ(牝4、道営・田中淳司厩舎)が、そのまま押し切り1分42秒8(良)で優勝。2つ目の重賞タイトルを獲得し、通算成績を14戦5勝2着3回(JRA3戦含む)とした。

 2着には、道中後方2番手から脚を伸ばした同厩舎の5番人気ノッテルーナが入って田中淳司厩舎のワン・ツー・フィニッシュとなった。

 田中淳司調教師にとっては今年1月の兵庫ウインターカップに続く重賞制覇で、ヒダカソウカップは3勝目。地方競馬通算104勝目の重賞勝利となり、騎乗した落合玄太騎手にとっては昨年のサンライズカップに続く重賞制覇で、通算22勝目の地方競馬重賞タイトルとなった。

 7頭立てと少し寂しい頭数にはなったが、今年の牝馬戦線を占う1戦。人気となったのは昨年、JRAからの未勝利転入ながら新星のごとく現れてこのレース2着のあとフロイラインカップで重賞初勝利を飾ったポルラノーチェ。その後も勝ち星には恵まれなかったもののグランシャリオクイーンズ2着。南関東のロジータ記念2着など全国レベルの力を示したのち、今年は船橋競馬場のダートグレード「クイーン賞(Jpn3)から始動。前走の「白鳥大橋主塔登頂クルーズ特別」では牡馬のトップクラス相手に6馬身差の圧勝していた。レース後、田中淳司調教師は「マイル戦、そして1番枠には若干の不安を感じていた」と話していたが、負けられない思いで愛馬を送り出していたそうだ。

 続いて、転入初戦ながらも南関東時代には関東オークス(Jpn2)4着、3歳牝馬限定準重賞アレキサンドライトカップ2着の実績があるシンメルーブス。こちらも、前走の南関東B級特別で1番人気に応えた直後での転入。門別競馬場は初めてだが、坂路でも36秒台のタイムを出しており、調子の良さをアピールしていた。

 この2頭に迫る人気を集めたのは距離不問のヴィヴィアンエイト。一昨年は1,700mのブロッサムカップ、1,600mのラブミーチャン記念に勝ったかと思えば、短距離路線に舵を切って1,200mのフロイラインスプリントでは快足ライトヴェールを一蹴。そのスピードは外回りの1,700mコースでも輝きを失うことはなく、昨年のフロイラインカップではポルラノーチェとともに後続を突き放している。今シーズンは1,200mのエトワール賞から始動。成長分も含め27kg増という馬体重には驚かされたが、この日はマイナス8kgと絞ってのエントリーとなった。

 レースは快足ライトヴェールに、1,200mのフルールカップそして前走アマリリス特別(1,000m)を逃げ切っているヨシノヒローインが併走状態で引っ張る展開でスタートした。最初の3ハロンは36秒5(12秒6、11秒5、12秒4)というハイペース。自然と馬群がバラけていく。離れた3番手にはシンメルーブスが続き、ポルラノーチェはそこからさらに離れた4番手。こうした展開に「馬群が離れてくれたので、無理なく外に出すことができた」と、ほくそ笑んだのは田中淳司調教師だ。

 そんなレースが動いたのは内回りコースの向正面なかば。ハロンラップが14秒0と一気に落ち、石川騎手のシンメルーブスがゆっくりと前との差を詰めようというところ「相手も強い馬。楽はさせない」と落合玄太騎手が一気にスパート。そうなると石川騎手も譲るわけにはいかず、2頭併走状態のまま最後の直線に。最後は「早めに動いても押し切ってくれるはず。自分の馬を信じた」という落合玄太騎手が手綱を取ったポルラノーチェが力でねじ伏せた。レース後、同騎手は「自信はあったが、正直ほっとしました」と笑顔。

 田中淳司調教師は「初顔合わせの強い馬を良い目標にすることが出来た」と冷静にレースを分析し「外回りの方が競馬をしやすい馬。まだ強い馬もいるので、これからも挑戦していきたい」と意を新たにしていた。

 昨年はJRA未勝利転入から3戦目での重賞挑戦だったにもかかわらず、1番人気に支持され2着と涙を飲んだポルラノーチェだが、その時敗れた相手はのちにグランダムジャパン古馬シーズンで優勝したサンオークレア。それに続くような活躍が期待される。