北海道市場トレーニングセールが開催される
「北海道市場トレーニングセール」が5月20日、JRA札幌競馬場パークウインズ棟のファンファーレホールで開催された。この日のために調教を積まれた2歳馬94頭が上場。うち68頭(牡38頭、牝30頭)を売却した。上場頭数が前年比で8頭増える中、売却率も1.4pt増の72.3%を記録し、売上総額も前年を38,720,000円上回る504,460,000円(税込、以下同)を記録した。取引馬の平均価格は7,418,529円。中間価格は5,335,000円だった。
最高価格はテオレーマ2023(牡、父コントレイル)。注目の新種牡馬を父に持ち、JBCレディスクラシック(Jpn1)を勝った母の初仔という血統馬は、午前中の公開調教でも22秒6(11秒7、10秒9)の好タイムを記録。2,000万円のファーストビットから激しい競り合いとなり、結果的には同セール史上最高価格となる68,200,000円で(株)ライフハウスが落札した。
これに次いだのは公開調教で21秒8(11秒2、10秒6)を記録し、近親にナムラタイタンなどがいるタマモキラメキ2023(牡、父バンブーエール)。35,200,000円でGPマネージメントが競り合いを制している。牝馬では、公開調教で25秒8(13秒3、12秒5)の動きを見せ、おじに小倉大賞典(G3)など6勝をあげたサンライズベガがいるオークヴィル2023(牝、父ダノンスマッシュ)が全体での第3番目の高額となる25,300,000円で(株)ライフハウスが争奪戦を制している。
午前中に行われた公開調教は同競馬場のダートコースを使い、4クルーに分かれてゴール前2ハロンから時計を計測。途中、激しい雨に見舞われる時間帯もあったがスムーズに進行し、2ハロン合計タイムで最も速いタイムを記録したのは、祖母の半兄にフジキセキがいる血統のレジイナアン2023(牝、父フィレンツェファイア)。21秒3(10秒8、10秒5)を記録し、牝馬としては高額第2位(全体第5位)の14,300,000円で(株)ビープロジェクトによって落札された。
最後1ハロンの最速馬は2頭。合計タイム22秒0(11秒6、10秒4)のアーマイン2023(牡、父スワーヴリチャード)は、母が米国G1勝馬でケンタッキーオークス(G1)2着という活躍牝馬。同じく合計タイム22秒1(11秒7、10秒4)のカクテルフォンテン2023(牝、父タワーオブロンドン)は半兄に南関東4勝のエダマメがいる血統。前者は村木慎吾氏によって全体第4位となる17,600,000円で、後者は4,950,000円で豊田博司氏が落札した。
なお、購買登録者数は501名で(昨年511名)、そのうちオンラインビッドの購買登録者数(ID発行数)は48名(昨年27名)だった。
セール終了後、古川市場長は「注目度の高い血統馬が過去最高価格で取引され、結果的にはトレーニングセールの可能性を示したと思う。また、1番大事にしたいのは売却率。それが昨年を上回ったことでほっとしている。全体的にはタイム重視から、馬の伸びしろをみる購買者が増えたような印象を受けた。ご協力いただきましたJRA、ならびにJRA札幌競馬場、この日のためにしっかりと馬を仕上げてきた飼養者、販売申込者、そして購買者の方々に厚く御礼申し上げます」と市場をふりかえった。
次回の北海道市場は、7月21日に新ひだか町の北海道市場で1歳選抜市場「セレクションセール・プレミアムセッション」を、23日に「セレクションセール」を行う。