千葉県富里市に吉田善哉氏とノーザンテーストの等身大像が建立
千葉県富里市の新木戸大銀杏公園に、社台ファームの創業者である吉田善哉氏と、社台スタリオンステーションで繋養されていたノーザンテーストの等身大像が建立。5月5日には除幕式が行われた。
社台ファームは1955年に千葉県の富里市で創業しており、新木戸大銀杏公園はその跡地ともなる。富里市は国内で初めて競走馬を輸入した宮内庁管轄の下総御料牧場が存在した地であるなど、社台ファームの他にも多くの牧場の創業地となった。
その後、成田国際空港の建設や宅地化が進むにつれて、牧場の移転を図る牧場も増えていく。その一方で美浦トレーニングセンターや、南関東の各競馬場との利便性の高さが評価される形で、生産から騎乗育成や現役馬の調整へと転換を行う牧場や、市内には多くの乗馬クラブも作られており、東京都内からも乗馬愛好家が足を運んでいる。
「馬のまち」として様々なアピールを行っている富里市では、同日に観光・交流拠点施設の末廣農場と、隣接する旧岩崎久彌末廣農場別邸公園で「とみさと未来馬フェスタ」を開催。このイベントにも多くの来場者があった。
市民の憩いの場となっている新木戸大銀杏公園は、今年で開園15周年を迎えている。その節目の年に吉田善哉氏とノーザンテーストの等身大像を建立する、「大銀杏公園モニュメント建立実行委員会」が立ち上がった。原作者の堤磐夫さん、彫刻作家の冨田憲二さん、山本明良さんが作り上げたブロンズ像は「Pocket(ポケット)」と命名され、この日のお披露目となった。
式典には吉田善哉氏の長男となる、現在の社台ファーム代表となる吉田照哉氏を始めとして、美浦の蛯名正義調教師、JRA関係者や美浦トレーニングセンターの関係者が来場。富里市の五十嵐博文市長と共に祝辞を述べていた。
富里市で幼少期を過ごした吉田照哉氏は、「ノーザンテーストは現在の社台グループを作ってくれた思い入れ深い種牡馬です。ノーザンテーストのおかげで社台ファームは日本ダービー(G1)(86年の勝ち馬となったダイナガリバー)を勝つこともできました。社台ファームは富里から始まったことを皆さんに広めていただくだけでなく、父(善哉氏)は亡くなりましたが、元気な姿を皆さんにお見せできていくのではないかと思います」と笑顔で語っていた。