馬産地ニュース

JRAブリーズアップセールが開催される

  • 2025年04月30日
  • 最高価格ティックルゴールド2023
    最高価格ティックルゴールド2023
  • ティックルゴールド2023
    ティックルゴールド2023
  • 牡馬最高価格クロフォード2023
    牡馬最高価格クロフォード2023
  • クロフォード2023
    クロフォード2023
  • 230人を超える馬主が来場した
    230人を超える馬主が来場した

 4月30日、JRAの中山競馬場で2025JRAブリーズアップセール~第21回JRA育成馬調教セール~が行われた。

 JRAブリーズアップセールは、JRA育成馬を対象とした2歳トレーニングセール。徹底的な情報開示により、せりに不慣れな馬主でも安心して参加できる、わかりやすい市場開催などを目指して行われている。

 上場されるのは全国1歳市場で購入した馬と、日高育成牧場の生産馬。それらを日高、宮崎の両育成牧場で育成、調教したうえで「セール当日現在において、今後の調教および出走に耐えうると判断した馬」のみ。

 節目となる今回の上場頭数は前日の騎乗供覧後に2頭の欠場が発表されて76頭(牡41頭、牝35頭)での開催となった。

 セールに先立ちマイクをとった日本中央競馬会の伊藤馬事担当理事は「JRAは昨年の1歳市場で74頭の1歳馬を購入してきました。これに日高育成牧場で生産された9頭を加えた83頭を日高、宮崎の両育成牧場で約8か月にわたって、すべての育成馬が競走馬としてデビューできることを目指し、ときに厳しく、ときに愛情を注ぎながら育成調教を行ってきました。そして本日、みなさまの前に披露させていただくことになりました。本日ここに上場する馬につきましては自信を持ってお薦めできる馬ばかりです。本日がみなさまにとりまして愛馬との忘れられない出会いになることをお祈り申し上げます」とあいさつし、積極的なセールへの参加を呼びかけた。

 せりは正午にスタート。

 最高価格となったのは、むかわ町の上水牧場生産馬でサマーセール取引馬で宮崎育成牧場の育成牝馬「ティックルゴールド2023」の59,400,000円(税込、以下同)。これはJRAブリーズアップセール史上の最高価格馬にもなった。前日の公開調教では騎手候補生の石川稜久さんが騎乗して2ハロン23秒5をマークして好仕上がりの良さをアピールしていた。父は、昨年の新種牡馬チャンピオンのナダルで、期せずして2年連続ナダル産駒が最高価格取引馬となった。母ティックルゴールドはJRA3勝馬で、おばには2018年JBCレディスクラシック(Jpn1)優勝馬アンジュデジールがいる血統。同馬の馬主でもある安原浩司さんが落札した。

 これに続いたのは、新ひだか町の山際牧場生産馬でセレクションセール取引馬で宮崎育成牧場の育成牡馬「クロフォード2023」の36,300,000円。こちらはイクイノックス、ソールオリエンス、ウィルソンテソーロなど芝ダートの両方でG1/Jpn1優勝馬を送り出しているキタサンブラック産駒。母は2009年の新潟2歳S(Jpn3)3着馬で、半姉にはJRA2勝馬のラヴィンフォールがいる血統で、前日の騎乗供覧ではJRA職員が騎乗して2ハロン24秒8。亀岡和彦氏によって落札されている。

 これらを含めた76頭中75頭(牡40頭、牝35頭)を売却。30日にファイナルステージを残すこととなったが、総額931,370,000円は21回の歴史の中で2番目の売り上げとなった。

 セール終了後、日本中央競馬会の内藤裕司生産対策室長は「会場に足を運んでいただいた方、インターネットを使って参加いただいた方も楽しんでいただけたセールとなったと思う。JRAが長年取り組んでいた情報公開が浸透し、購買者の方からは安心して参加できると評価されていることが、こうした結果になったと思う」と総括した。