馬産地ニュース

軽種馬育成調教センターの育成調教技術者養成研修第42期生修了式が行われる

  • 2025年04月22日
  • 21人が巣立った育成調教技術者養成研修第42期生修了式
    21人が巣立った育成調教技術者養成研修第42期生修了式
  • 人馬一体となった騎乗技術を披露した
    人馬一体となった騎乗技術を披露した
  • 優秀な成績を収めた研修生表彰受賞者
    優秀な成績を収めた研修生表彰受賞者

 4月18日、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(草野広実理事長)は、浦河町西舎のうらかわ優駿ビレッジAERU(アエル)において、育成調教技術者養成研修の第42期生修了式を執り行った。

 晴れて研修修了の日を迎えた第42期生は、北海道、青森県、宮城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、福井県、大阪府、兵庫県、広島県、島根県、愛媛県、佐賀県、熊本県出身の19歳から29歳までの21人。昨年4月の開講から1年間、育成調教技術者になるための基本的な知識や技術を学んできた。21人は胆振や日高にある育成牧場への就職が決まっているという。

 修了式前には育成調教技術者研修施設にある800mと200mの調教馬場において、実技査閲を実施。研修生の家族や研修生の就業先の関係者、草野広実理事長をはじめとした公益財団法人軽種馬育成調教センターの役職員、JRA日高育成牧場の吉田年伸場長などの来賓を前に、人馬一体、息の合った調教技術を披露した。

 修了式では草野広実理事長が研修生ひとりひとりに修了証書を授与。続いて厩舎作業最優秀賞、学科最優秀賞、騎乗技術最優秀賞、場長賞、理事長賞の各種表彰が行われた。

 草野広実理事長は「みなさま、一年間にわたる研修修了、まことにおめでとうございました。本日、みなさまをこうしてホースマンとして送り出せることを、BTC役職員一同、心からうれしくおもっております。みなさまのこの一年を振り返ってみますと、不慣れな集団生活、早朝からの厩舎作業、厳しい乗馬訓練、なかなか教官の指示通り馬を動かせないもどかしさのなかで、落馬をしたり、けがをしたり、辛いおもいをした人、された方もいるとおもいます。みなさまの感想文のなかにはそのおもいが詰まっていました。しかし、みなさん、この研修をやりとげました。そのことはこれからのホースマンとしての人生において、自信と誇りをもってよいとおもいます。しかし、そうはいっても、まだまだできないこと、知らないことがたくさんある、この先牧場で務まるのか不安がある方もいるとおもいます。これからはBTCで学んだことをベースに、職場の先輩から教わることをしっかり自分の技術として身につけられるように、努力を重ねてください。
 馬の仕事は一生勉強です。先日のJRA育成馬展示会でBTC研修生OBの河嶋宏樹調教師とお話ししました。河嶋調教師は開業2年目ですが、『馬の休ませ方、馬のレース間隔の空け方が悩みどころです。やっぱり、この仕事は一生勉強ですね』と話されていました。調教師になるくらい勉強した人でもそうおもうのです。ですから、みなさんもこれから一生勉強するつもりで頑張ってください。そういうなかでみなさんには、将来、どうなりたいのかの夢や目標を持ってほしいとおもいます。将来は自分で牧場を経営したい、あるいは馬主になりたい、あるいは、競馬場のスタッフから調教師を目指したい。そのためには短期的、中期的、長期的に目標を立てて進んでいくことが大事です。BTCで基礎をしっかり学んだみなさんはじゅうぶん可能です。そういう期待をしていますとお伝えします」と式辞を述べた。

 最後は研修生を代表して木原瑞季さんが謝辞。「この研修を行うにあたって、わたしたちはさまざまな方の支えがあり、充実した研修を送ることができました。いかなるときでもわたしたちを応援してくれた親の存在や、研修がスムーズに進むようにサポートしてくださったBTCの職員の方々に感謝しています。そして、わたしたちはこの1年でさまざまな挫折を味わい、幾度となく現れる大きな壁に頭を悩ませてきました。しかし、教官方の手厚いサポートのおかげで、紆余曲折がありながらも、その壁を打ち壊すことができたとおもいます。改めまして、ほんとうにありがとうございました。これからは、研修生それぞれが異なる道で羽ばたいていきます。この1年間で芽生えたきずなは、先の将来でわたしたちを助けてくれると願っています。仲間として、そしてライバルとして、お互い切磋琢磨しあうことを誓い、お礼の言葉に代えさせていただきます」と感謝した。