3月27日、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC、草野広実理事長)は、BTC調教場屋内1,200m直線ウッドチップ馬場南旋回場内おいて、馬場浄め式を執り行った。

 馬場浄め式は、冬季間にクローズしていた屋外馬場のオープンに合わせ、人馬の安全を祈願する恒例行事。行事には草野理事長、山下芳則専務理事といったBTCの役職員、JRA日高育成牧場吉田年伸場長、BTC利用者振興会の会員、馬場などの施設管理を行う業者関係者など約50人が出席し、浦河神社の酒井俊宮司の神事に従い玉櫛奉納した。

 BTC調教場の屋外施設は、3月24日から1,600mのトラック砂馬場と800mのトラック砂馬場、1,200m直線砂馬場と1,600m直線砂馬場をオープン。オープン初日以降から施設を利用するJRA育成馬、北海道トレーニングセールへの上場予定馬など、デビュー前の2歳馬がコースに入り砂の感触を確認して調教に励んだという。なお、グラス馬場、グラス坂路、芝2,000m走路は5月のオープンを予定している。

 BTCは軽種馬の資質の向上ならびに軽種馬の生産･育成者の経営基盤の安定、強化を図り、競馬の安定的な発展を通じ、地域社会の健全な発展に寄与することを目的に1991年3月15日に設立。軽種馬の育成調教技術の改善･普及、軽種馬の育成調教技術者の養成、共同利用に供する軽種馬育成調教施設の運営･管理及び貸与という事業を主に行っている。

 JRA日本中央競馬会が建設した日高育成総合施設軽種馬育成調教場は、イギリスのニューマーケット、フランスのシャンティイなどに匹敵する広大な草原を利用したグラス馬場や本格的な追い切りが可能な直線2,000mに及ぶ芝馬場を中心に、1,600mと800mのトラック馬場及び1,600mと1,200mの直線砂馬場、屋内のコースとして1,000mの直線ウッドチップ馬場･600mトラック砂馬場･1,000m坂路馬場があり、若馬の鍛錬の場として世界に誇れる施設を備える。

 1993年10月7日に開場して以来の延べ利用頭数はもうすぐ4,000,000頭に到達。利用馬の活躍は目を見張るものがあり、2024年度はテーオーロイヤルが天皇賞(春)(G1)、ルガルがスプリンターズS(G1)、イロゴトシが中山グランドジャンプ(JG1)、キングズソードが帝王賞(Jpn1)、タガノビューティーがJBCスプリント(Jpn1)に優勝するなど、国内外を合わせて37の重賞競走に勝利。2025年度は、ファウストラーゼンが弥生賞ディープインパクト記念(G2)、サンデーファンデーがプロキオンS(G2)、ウォーターリヒトが東京新聞杯(G3)、ニシノエージェントが京成杯(G3)、オーサムリザルトがクイーン賞(Jpn3)、メイショウフンジンが佐賀記念(Jpn3)を制覇している。