ベンバトル初年度産駒の公開調教が行われる
2月13日、新冠町万世にあるビッグレッドファーム明和において、本年、初年度産駒がデビューを迎えるベンバトル産駒の公開調教が行われた。
公開調教は全長1,100m、スタートからゴールまでの高低差は55m、平均勾配は5%の坂路コースにて実施。美浦や栗東のトレーニングセンターと比べても、より負荷をかけられる坂路コースとして知られている。
時計は4ハロンを計測。この時期の追い切りタイムの水準は4ハロンで55秒前後、54秒、53秒となると、持って生まれたスピードや運動神経がないと簡単には計測できないタイムという。
ビッグレッドファームはベンバトル産駒について「お尻が立派で馬格がある産駒が多いこと、ここまで乗り込んできましたが、牡馬、牝馬にかかわらず、全体的に飼い葉食いが良く、加減せずに鍛えることができました。乗り始めたころは、恵まれた馬体を持て余すタイプもおりましたが、調教を進めるにつれて体力もつき、その恵まれた馬体をしっかりと動かし、力強いフットワークができるようになりました」と説明。公開調教では、そのベンバトル産駒のなかでも、とくに動きの良い産駒4頭の追い切りの様子を披露した。
最初に坂路を駆け上がったのは、2024年のかしわ記念(Jpn1)、2024年、2023年の黒船賞(Jpn3)、2022年のテレ玉杯オーバルスプリント(Jpn3)、2022年のサマーチャンピオン(Jpn3)、2022年の東京スプリント(Jpn3)などを制覇したシャマルの半弟になるマイネルトレマーズ。4歳以上JRA1勝クラスのコスモバラタと並走し、4ハロン54秒7、ラスト1ハロン13秒7で駆け抜けた。540kgを超える雄大な馬体から繰り出す大きなフットワークは圧巻のひとことだった。
2頭目はダリア賞に勝ったペルソナリテの子どもになるマイネルヴェーゼン。同じ2歳のコスモギガンティアと一緒に坂路を駆け上がり、4ハロン56秒5、ラスト1ハロン13秒8だった。前向きな気性で前半から良いフットワークを披露した。
3頭目は2024年の京王杯2歳S(G2)2着、2024年のサウジアラビアロイヤルC(G3)3着、2025年のシンザン記念(G3)4着というマイネルチケットの半妹になるトライアンフパス。3歳未勝利のテルモプシスが調教パートナーになり、4ハロン54秒2、ラスト1ハロン13秒3を計測した。470kgの牝馬で追い出してからのフットワークが目立った。
4頭目は2023年の京王杯2歳S(G2)に勝ち、2024年のフィリーズレビュー(G2)で2着、2023年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)で3着になったコラソンビートの半妹になるシェーロドラート。マルメラーダと併せて4ハロン51秒6、ラスト1ハロン12秒8でフィニッシュした。51秒6のタイムには説明役の榎並健史副場長もおもわず「いや、すごい」とひとこと。続けて「手先の軽いフットワークで、いままで調教を進めてきている段階で、お姉さんのコラソンビートより高い評価をしています。クラシックまで行けるのではと期待しています」と話した。
最後に榎並健史副場長は「早い時期の新馬戦から2歳重賞、その先の春のクラシックまで期待を持てる産駒がそろっていると手ごたえを感じています。この公開調教をぜひ参考にしていただきまして、本年の配合の参考にしていただければ幸いです」とベンバトルへの交配を呼び掛けた。
ベンバトルは父がドバウィ、母がナーレイン、母の父がセルカークという血統のイギリス産馬。現役時代はドバイターフ(G1)、MRCコーフィールドS(G1)、バイエリシェスツフトレネン(G1)という3つのG1競走をはじめ、芝、ダートで重賞競走10勝を含め、25戦11勝2着5回3着2回の成績を収めた。
2022年からビッグレッドファームにおいて種牡馬として供用を開始。初年度産駒となる現2歳世代は74頭が血統登録されている。