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社台スタリオンパレード2025が開催

  • 2025年02月06日
  • 武豊騎手からセールスポイントを伝えられたドウデュース
    武豊騎手からセールスポイントを伝えられたドウデュース
  • ウイットに富んだコメントをしていた武豊騎手
    ウイットに富んだコメントをしていた武豊騎手
  • 友道康夫調教師はドウデュースの種牡馬としての魅力を述べていた
    友道康夫調教師はドウデュースの種牡馬としての魅力を述べていた
  • 藤原調教師は入厩時の印象も語っていた
    藤原調教師は入厩時の印象も語っていた
  • 海外では「グッドルッキングホース」との評価を受けていたシャフリヤール
    海外では「グッドルッキングホース」との評価を受けていたシャフリヤール
  • 種牡馬入り2シーズン目となったイクイノックス
    種牡馬入り2シーズン目となったイクイノックス
  • 今年、待望の初年度産駒がデビューするコントレイル
    今年、待望の初年度産駒がデビューするコントレイル
  • 昨年、初のリーディングサイアーとなったキズナ
    昨年、初のリーディングサイアーとなったキズナ

 2月4日、安平町の社台スタリオンステーションで「社台スタリオンパレード2025」が開催。ドウデュース、シャフリヤールと2頭の新種牡馬に加えて今年、初年度産駒をデビューさせるコントレイルや、昨年のリーディングサイアーで初の首位となったキズナなど30頭の繋養種牡馬が午前と午後に2度に渡って展示された。

 今年のスタリオンパレードの幕開けを飾ったのは、昨年のJRA年度代表馬に輝いたドウデュースとなった。展示に際しては、現役時に主戦を務めた武豊騎手、そして管理調教師だった友道康夫調教師がそれぞれの立場からドウデュースの魅力を語った。

 武豊騎手は「私も数々の名馬に乗せていただきましたが、その中でもドウデュースは不思議なタイプの馬でもあります。騎乗した際にはスプリンター、マイラー、長距離馬と様々な資質が感じられていました。血統を遡っても長距離馬からスプリンターまで様々な馬の名前があり、だからこそドウデュースのような馬が出たのかなという気もしています。一番のセールスポイントは心肺能力の高さであり、この馬が調教やレース後に疲れているのは一回も感じたことがありません。過去に同じような印象を持ったのはディープインパクトやキズナ、そしてキタサンブラックでした。スピード能力や瞬発力にも秀でており、アイビスサマーダッシュ(G3)に出走していても勝てたと思えるほどです。種牡馬としても新しいタイプの馬になってくれるのではないかと思います」と種牡馬として成功をおさめた過去の騎乗馬の名前を出してその魅力を語っていた。

 一方、友道康夫調教師は「2歳から5歳まで毎年G1レースを勝利しただけでなく、その勝ち鞍は芝の1,600mから2,500mまでと多彩なカテゴリーで活躍を見せました。また武騎手とも意見が一致しましたが、ダートでも活躍ができた馬だと思っています。この馬の一番の長所は成長力であり、競馬を使う度にどんどんと良化していきました。そこにドウデュース自身のスピードとスタミナも必ず産駒には遺伝されていくと思います。生産者の皆様におかれましても、1頭でも多く種付けをしていただくようによろしくお願いします」と会場に詰め掛けた生産者へのアピールを行っていた。

 ドウデュースの後に姿を見せたのは、第88回日本ダービー(G1)を勝利したシャフリヤール。ラストランとなった有馬記念(G1)でも2着に入る好走を見せたが、挨拶に立った藤原調教師もまず有馬記念(G1)のレース内容を振り返った。「年末の有馬記念(G1)では2着に敗れはしましたが、大外枠からの発走、そしてスローペースの展開と決して恵まれた展開では無かったはずです。それでも乗り役の指示をよく聞いて、最後は瞬発力と勝負根性の強さを見せてくれた、素晴らしいレースだったと思います。
 入厩したばかりの頃に自分も騎乗したことがありますが、自分だけでなく騎乗した調教助手たちもマイルの馬では無いかとの評価をしていました。動きには軽さと瞬発力がありそこにスピード能力の高さも備えていたのですが、この血統と馬体の良さを見た時にダービー(G1)といったクラシックディスタンスを沸かせる馬となるように作り上げていきました。目標としていた日本ダービー(G1)を勝利した後は海外のレースにも出走していきましたが、そこでもパフォーマンスが落ちることなく精神力や根性にも秀でていたこともあり、優秀な成績を残したのもシャフリヤールにとっての最大の長所だったと思います。海外では行く先々で「グッドルッキングホース」との評価も受けており、また、アメリカでダートでの調教を行った際には、力強くて推進力のある走りを見ていると、ダートでも一度走らせたかったと思えた程でした。生産者の皆さんの期待に応えてくれる種牡馬になってくれると思いますので、今後ともよろしくお願いいたします」と現役時のエピソードを振り返った。

 2頭の新種牡馬のあとにはグレナディアガーズ、シュネルマイスター、イクイノックスといった繋養2年目となる種牡馬、そして今年初年度産駒を送り出すコントレイル、ダノンキングリー、クリソベリル、サリオスといった今年初年度産駒を送り出す種牡馬が展示されていく。

 その後も昨年のフレッシュサイアーの首位となったナダルやその前年のフレッシュサイアーとなったスワーヴリチャードといった、次代のリーディングサイアー候補が展示されていく。話題性溢れる種牡馬たちのあとにはエピファネイア、モーリス、ドレフォン、ルーラーシップといった、昨年の総合サイアーランキングでトップ10入りを果たした、実績種牡馬たちが堂々とした姿で人垣の中を闊歩していった。

 28番目の展示となったのは、僅か4世代の産駒たちだけで昨年の総合サイアーランキングのトップ10入りを果たしたキタサンブラック。トリとなる29番目には5年連続でリーディング第2位となったロードカナロアが登場すると、大トリとなる30番目には初めてのリーディングサイアーかつ、祖父サンデーサイレンス、父ディープインパクトとの親子3代での総合リーディングサイアー首位となったキズナが姿を見せた。

 昨年、社台スタリオンステーションの繋養種牡馬は総合リーディングサイアーの第1位から第10位までを独占した。総種付頭数だけでなく種牡馬実績も日本一のスタリオンであることを、改めて証明した結果とも言える。その事実を証明するかのようにこのスタリオンパレードにおいて、展示された種牡馬たちは美しさと逞しさを兼ねそなえた馬体をしていただけでなく、種牡馬スタッフの巧みなハンドリングもまた、日本一のスタリオンに相応しい管理ができていた。

 種牡馬の説明を行った事務所スタッフも種牡馬の魅力を様々な角度から語っていただけではなく、配合のヒントに繋がるようなコメントも織り交ぜざれていた。30頭の展示の時間は約1時間半となったがこの日、会場に足を運んでいた生産関係者たちにとっては、あっという間と思えるような時間だったに違いない。

 今年も多くの繋養種牡馬がスタリオンパレードの前にブックフルの報告がされており、日本一の種付頭数を記録するスタリオンとなることは間違いない。そして今年もこのラインナップの中から総合リーディングサイアーの第1位、つまり日本一の種牡馬が誕生してくるのだろう。