日高女性軽種馬ネットワークが前川恭子調教師を講師に迎え講演会を開催
1月23日、日高女性軽種馬ネットワーク(通称:馬女ネット、渋谷真美会長)は、新冠町中央町にある新冠町レ・コード館シアター室において、JRA日本中央競馬会調教師の前川恭子氏を講師に迎え、「競馬業界における女性のキャリアプラン」をテーマにした講演会を開催した。
馬女ネットは日高管内の軽種馬産業に係わる女性を中心に構成。「自らが軽種馬女性の経営参画・社会参画に取り組むとともに、その活動をとおして軽種馬振興に寄与する事」を目的に、平成21年に結成された。令和7年1月現在での会員は27名。年3回程度、生産技術研修会、視察研修会等を実施し、強い馬づくりと経営安定に必要な技術と知識を習得している。講演会には渋谷真美会長をはじめとした会員のほか、日高管内の牧場関係者やJRA日高育成牧場浮島理場長や大村一副場長、公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場加藤結調査役、日高農業改良普及センター須田耕所長など約30人が出席した。
講師として招聘された前川恭子氏は、千葉県富里市出身。11歳で乗馬をはじめ、筑波大学馬術部時代に美浦トレーニングセンターでのアルバイトをきっかけに競走馬にかかわる仕事に興味を持ったという。大学卒業後は浦河町西幌別にあるビクトリーホースランチ、アイルランドのコン・コリンズ厩舎などでの勤務を経て、平成15年7月にJRA競馬学校厩務員課程に入学。平成15年10月より栗東トレーニングセンターの崎山博樹厩舎で厩務員、平成16年2月より調教助手として勤務した。崎山博樹調教師の逝去に伴い平成30年11月から田所秀孝厩舎、平成31年3月から坂口智康厩舎に所属。令和5年12月に5回目の挑戦で調教師試験に合格した。現在は技術調教師として研修中。令和7年3月に厩舎開業を控えている。
講演会はフリーアナウンサーとして岩手競馬や北海道市場、JRAブリーズアップセールなどで活躍する小木曽なつ美氏がインタビュアーとなり進行。前川恭子氏は乗馬をはじめたきっかけや競馬業界、調教師を目指した動機などを披露したほか「調教師として目指していることと目標を教えてください」、「キャリアプランを意識するにあたってのきっかけはありますか」、「結婚、出産、育休、産休といったライフプランが大きな影響をもたらすとおもいますが、悩みの対象や乗り越えるべき壁でしたか」、「調教師試験の合格前と合格後で認識が大きく変わったこと、自身が変わったことはありますか」、「興味があること、やってみたいことは」、「女性調教師としての困難は?仕事をするうえで気を付けていることは何ですか?」、「馬を好きになったきっかけは?」、「好きな毛色は?」、「馬体のどこを見て購入しますか?」、「馬と接するときに大切にしていること、コミュニケーションの取り方は?」、「競走馬の育成はもちろんですが、人材育成はどのように行っていきますか?」、「競馬とかで女性で不利だとおもったことは?それを克服するための努力したことは何ですか?」、「休日の過ごし方は?」、「調教師からみて、生産牧場にこうしてほしいということはありますか?」といった会員からの質問にも答えた。