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ファストフレンドが死亡

  • 2025年01月15日
  • 在りし日のファストフレンド①
    在りし日のファストフレンド①
  • 在りし日のファストフレンド②
    在りし日のファストフレンド②
  • 在りし日のファストフレンド③
    在りし日のファストフレンド③
  • 在りし日のファストフレンド④
    在りし日のファストフレンド④

 1月11日、2000年の帝王賞(G1)と東京大賞典(G1)を優勝するなど、重賞で9勝をあげたファストフレンドが、生まれ故郷である日高町の中前牧場で31歳の生涯を終えた。

 ファストフレンドは1994年の5月12日に中前義隆牧場で誕生。美浦の高市圭二厩舎に所属すると、3歳(当時の表記は4歳)を迎えた1997年の5月に、東京競馬場の芝1,600mでデビューを迎える。

 デビュー戦の後はダートに戦いの場を移していき、確実にクラスを上げていくと、1999年には重賞初挑戦となるマリーンC(G3)を優勝。その年にはスパーキングレディーC(G3)、エンプレス杯(G2)、クイーン賞(G3)と交流重賞で3連勝をあげる。

 年末の東京大賞典(G1)では2着、2000年の川崎記念(G1)でも3着と、一線級の牡馬を相手に好走を続けていき、4度目のG1挑戦となる帝王賞(G1)を優勝。年末には東京大賞典(G1)も制する活躍で、その年のNARグランプリの特別表彰馬にも選出される。

 2001年の帝王賞(G1)の後に現役を引退。その年のジャパンCダート(G1)で引退式が行われた後、中前牧場で繁殖入りを果たす。通算成績は38戦15勝、総賞金は6億6126万8千円。

 2006年からはノーザンファームで繋養されると、3番仔となるフォーティファイドが、2013年の大井記念に続き、2014年の金盃を優勝するなど、現役時の母を彷彿とさせるような活躍を見せていく。その後は再び中前牧場で繋養されていき、9番仔のアレッタを出産後はリードホースとなって、離乳したばかりの当歳馬と繋養されながら晩年を過ごした。

 中前牧場の中前二郎代表は「リードホースとしては仔馬たちと付かず離れずの関係を築きながら、立派に仕事を行ってくれました。年明けの6日から体調を崩すようになり、様々な治療を施してきたものの、11日に老衰による心不全で天国へと旅立ちました」と話してくれた。ファストフレンドの血を引く牝馬は中前牧場で繋養されているだけでなく、孫にあたる世代も繁殖入りするなど、その牝系を確実に伸ばしている。その中からファストフレンドの名前を高めるような産駒が現れてくれるはずだ。

 「現役時代から応援していただいたファンの皆様と、牧場に戻ってきてからも様々なサポートをしていただいた関係者の皆様には、厚く御礼を申し上げます」と中前二郎代表は関係者への感謝を述べた。