ニシノデイジーが白馬牧場に到着
昨年12月26日に競走登録を抹消され、茨城県の西山牧場阿見で休養していたニシノデイジーが、6日午前、2025年シーズンから種牡馬生活を送る北海道新冠町の白馬牧場に到着した。
同馬は父ハービンジャー、母ニシノヒナギク(その父アグネスタキオン)という血統の9歳馬。曾祖母は桜花賞(G1)などG1競走3勝のニシノフラワーで、祖母の父は皐月賞(G1)、菊花賞(G1)の2冠馬セイウンスカイ。浦河町の谷川牧場で生まれ「ニシノ」「セイウン」の冠でお馴染みの西山茂行氏の所有馬として、2歳7月に函館競馬場芝1,800m戦でデビュー。初戦はのちに函館2歳S(G3)で2着となるラブミーファインを捕まえきれず2着と涙を飲んだが、2戦目に1番人気で勝利すると続く札幌2歳S(G3)ではナイママ、クラージュゲリエとの競り合いを制して重賞初勝利。ひと息入れた秋の東京スポーツ杯2歳S(G3)でも残り100m付近で先頭に立って後続の追撃を封じ込めて重賞2連勝。2歳シーズン最後のホープフルS(G1)は勝ったサートゥルナーリアから2馬身少々差の3着だったが、翌年春の日本ダービー(G1)はレコードで駆け抜けたロジャーバローズから0秒5差5着と世代上位の力を示している。
また、6歳春には障害に転向。入障2戦目に勝ち上がると秋陽ジャンプS2着のち中山大障害(JG1)では伸び悩むオジュウチョウサン相手に堂々先頭ゴールイン。障害デビュー4戦目でビッグタイトルを手中にしている。結果的には中山競馬場の大障害コースは5回走って2勝2着1回3着1回。近年のハードル界を盛り上げた。通算成績は32戦6勝2着3回3着4回(重賞4勝)。総賞金は3億3,942万8,000円(付加賞含む)
父ハービンジャーは2024JRAサイアーランキング8位。その代表産駒は英国の伝統的なG1競走ナッソーS(G1)ほか国内で秋華賞(G1)など重賞4勝のディアドラや有馬記念(G1)優勝のブラストワンピース。ほかヴィクトリアマイル(G1)優勝のノームコアやマイルChS(G1)優勝ナミュール。また、昨年のオークス(G1)、秋華賞(G1)2冠馬チェルヴィニア、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を勝ったアルマヴェローチェなど牝馬に活躍馬が多かったこともあるが、本馬が同馬産駒として初の後継種牡馬となった。
到着に立ち会った西山牧場スタッフは「暑さにはあまり強いタイプではなく、夏は北海道の牧場で過ごす事が多かった馬で愛着もあります。馬場に出ると気持ちの強さを前面に出すようなところもありましたが、いわゆるオンオフの切り替えが上手な馬で、馬房の中では本当におとなしくて人懐っこい馬。これからの第2ステージでニシノフラワーやセイウンスカイの血が後世に残るような成功を期待したいと思います」とエールを送った。種付料は受胎確認後20万円を予定していると言う。