サトノアラジンがブリーダーズ・スタリオン・ステーションに帰厩
ニュージーランドのリッチヒルスタッドにシャトル供用されていたサトノアラジン(13歳、父ディープインパクト)が輸入検疫を終えた22日早朝、日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションに戻ってきた。
サトノアラジンは日本競走馬協会主催セレクトセール取引馬。現役時代の通算成績は日本、香港で通算29戦8勝2着5回3着3回(海外3戦)。2歳8月の新潟競馬場芝1,600m戦でデビュー勝ち。暮れのラジオNIKKEI杯2歳S(G3)は勝ったワンアンドオンリーから0秒3差3着、翌年の共同通信杯(G3)はイスラボニータから0秒5差3着と世代トップレベルの能力を示し、5歳春の京王杯スプリングC(G2)で重賞初勝利。続く安田記念(G1)は2着モーリスと同タイム4着だったが、秋のスワンS(G2)では持ち前の瞬発力を十分に生かした大外一気を決めて重賞2勝目。翌年春の安田記念(G1)も大外を強襲して連覇を狙ったロゴタイプを差し切って悲願のG1勝利を成し遂げた。
現役引退後は安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。初年度から100頭を超える繁殖牝馬を集める人気種牡馬となり、同年秋から、かつてジャングルポケットやペンタイアなどもシャトルされていたニュージーランドのリッチヒルスタッドでシャトル供用を開始。日本でも初年度産駒はレディバランタインなど9頭が新馬戦で勝利するなど上々の滑り出しを見せたが、南半球生まれの産駒はさらに大活躍。初年度産駒のペニーウェカがATCオーストラリアンオークス(G1)、WRCニュージーランドオークス(G1)を勝つと、2年目産駒が大ブレイク。トウキョウタイクーンが重賞のマタマタスリッパーS(G3)(芝1,200m)、賞金総額100万ニュージーランドドルのリステッド競走カラカミリオンなどに勝利し、父を2022/23年の2歳チャンピオンサイアーへと押し上げた。この世代は、ほかランタンウェイ、ルポソリタリオ、ラフアタックなどが次々と重賞競走を勝ち、現地での評価を高め、12,500NZドルからスタートした種付料は2024/25年シーズンは65,000NZドルに跳ね上がっていた。
無事の到着を確認したブリーダーズ・スタリオン・ステーションでは「到着して間もない頃はややテンションが高かったですが、基本的には扱い易い馬。シャトル供用にも慣れた馬ですし、ブリーダーズ・スタリオン・ステーションでの供用も3シーズン目。すぐに落ち着いてくれると思います。来年の3歳世代はキャリアハイとなる79頭の血統登録馬がおり、函館2歳S(G3)2着ニシノラヴァンダなど2歳戦での勝ち上がり頭数も過去最多を記録しています。ニュージーランドでの産駒に負けない活躍を期待しています」とエールを送った。2025年シーズンの種付料は、受胎条件80万円(出生条件120万円)と発表されている。