獣医師向け海外研修報告会が開催される
12月12日夜、新ひだか町静内田原にある公益社団法人日本軽種馬協会(以下JBBA)静内種馬場研修寮講義室において、海外研修報告会が開催された。
海外研修報告会はNAR地方競馬全国協会からの助成を受けてJBBAが実施している軽種馬経営高度化指導研修事業の一環。当日は約20人の獣医師や獣医学生が出席したほか、Zoom配信もされた。
遊佐繁基場長は「コロナなどがあり海外研修はしばらく実施してませんでしたが、今年から再開することができました。今年は鈴木吏先生に参加していただきました。この海外研修は中長期の期間で行っていきますので、興味のある方はお問い合わせください。今日は短い時間ですがよろしくお願いいたします」とあいさつした。
今回海外研修に参加したのは社台ホースクリニック鈴木吏獣医師。令和6年8月から17日から令和6年10月15日の約2か月間、オーストラリアへ渡り、8月19日から9月14日まではスコーンエクワインホスピタル(Scone Equine Hospital)で、9月16日から9月28日まではランドウィックエクワインセンター(Randwick Equine Center)で、9月30日から10月13日まではゴールバーンヴァレーエクワインホスピタル(Goulburn Valley Equine Hospital)と3か所で研修した。
鈴木獣医師はそれぞれの研修先の概要、獣医師の人数と専門分野、看護師の人数、勤務体系、馬房の数、手術の様子、術後の管理方法などを説明。日本のやり方や自身が勤務する社台ホースクリニックとの違いや共通点などを報告した。
続いてJBBAの職員研修の一環としてオーストラリアで研修したJBBA静内種馬場の増井一真獣医師が、9月14日から10月18日までオーストラリアのクールモアオーストラリア(Coolmore Australia)とスコーンエクワインホスピタルで研修した内容を報告。クールモアオーストラリアの繋養種牡馬、放牧地、繁殖シーズンのスケジュール、種付けの流れ、馬体のケア、獣医師の業務内容、繁殖牝馬の管理方法、日本の獣医療との違いなどを述べた。
海外研修は来年度も実施。期間は令和7年4月から令和8年3月までの期間で、中長期的な研修が対象になる。AAEPのみ等の短期の海外研修は実施せず、1次診療、2次診療で職種は問わない。2か月程度の研修の場合は2名を想定している。行先や時期、研修先との交渉はすべて自身で決定。4月に決める場合3月までに申し出る。費用はJBBAが基本的に負担するという(一部自己負担が必要な場合あり)。