JBBA日本軽種馬協会静内種馬場にステラヴェローチェがスタッドイン
12月6日午前11時すぎ、新ひだか町静内田原にある公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場に、2025年から種牡馬として新たに供用を開始することが決まったステラヴェローチェがスタッドインした。
ステラヴェローチェは牡6歳の黒鹿毛。父はバゴ、母はオーマイベイビー、母の父はディープインパクトという血統の安平町早来源武にあるノーザンファームの生産馬で、2018年のセレクトセール当歳セッションにおいて、64,800,000円(税込)で大野剛嗣氏に購買された市場取引馬として知られる。
ステラヴェローチェは現役時代、大野剛嗣氏、大野照旺氏の所有、栗東の須貝尚介厩舎が管理し、競走成績は19戦4勝2着2回3着3回。2020年7月に阪神競馬場でデビュー戦、逃げ切りで初勝利を収めた。同年10月にはサウジアラビアロイヤルC(G3)で無傷の2連勝を果たし、重賞初制覇を達成。続く朝日杯フューチュリティS(G1)では、上がり最速タイとなる33秒5の末脚で追い込み2着に健闘した。2021年の3歳クラシック戦線では、皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)でともに3着。秋の神戸新聞杯(G2)で2つ目の重賞タイトルを手にし、菊花賞(G1)、有馬記念(G1)はともに4着と安定した成績を収めた。その後は屈腱炎を発症し長期休養。今年の大阪城Sで2年5か月ぶりの勝利を飾った。夏の札幌記念(G2)は3着。天皇賞(秋)(G1)後に屈腱炎を再発し、11月6日付けでJRAの競走馬登録が抹消されていた。
父のバゴは日本軽種馬協会が導入した種牡馬。現役時代は16戦8勝の成績を残し、2004年の凱旋門賞(G1)、パリ大賞(G1)、ガネー賞(G1)、ジャンプラ賞(G1)、2003年のクリテリヨムアンテルナシヨナル(G1)、シェーヌ賞(G3)を制覇し、欧州2歳・3歳牡馬チャンピオンにも選ばれている。2006年から日本軽種馬協会静内種馬場で供用され、本年の種付けを最後に種牡馬引退を発表。代表産駒であるクロノジェネシスは2020年の有馬記念(G1)、2020年、2021年の宝塚記念(G1)、2019年の秋華賞(G1)を、ビッグウィークは2010年の菊花賞(G1)を、オウケンサクラは2010年のフラワーC(G3)を、クリスマスは2013年の函館2歳S(G3)を、タガノアザガルは2015年のファルコンS(G3)を、コマノインパルスは2017年の京成杯(G3)を、トータルクラリティは本年の新潟2歳S(G3)を、トロワボヌールは2015年のスパーキングレディC(Jpn3)、2014年、2016年のクイーン賞(Jpn3)を、アクティビューティは2013年のクイーン賞(Jpn3)を制覇するなど、産駒は芝、ダート、距離を問わず幅広い活躍を見せている。
2025年度の種付料は産駒誕生後300,000円。遊佐繁基場長は「当種馬場にて種牡馬生活を送っていたバゴの種牡馬引退に合わせてバゴの後継種牡馬を導入することができて不思議な縁を感じますし、良いタイミングになってうれしい気持ちでいっぱいです。バゴの産駒ということで現役時代からずっと注目していました。セレクトセールでも高額で取引されていましたし、2歳から古馬になってまで、一線級で活躍しました。父のバゴと母の父であるディープインパクトの良いところを受け継いでいるとおもいます。内国産の種牡馬を導入するのは久しぶりですし、JBBAスタリオンズの血を残すこともひとつの重要な仕事だとおもっていますので、良いメンバーが仲間に加わったとおもいます。雨のサウジアラビアロイヤルカップ(G3)を勝ったときは、バゴの子どもだから重い芝のレースが得意なのかなとおもったのですが、次の朝日杯フューチュリティS(G1)もすごい脚で追い込んできて、その後のクラシックも皆勤で、3着3着4着と、最後の有馬記念(G1)も4着で。屈腱炎から復帰後も今年勝ってくれて、札幌記念(G2)は3着で期待していた矢先に、また、屈腱炎で。子どもに次を託したいですね。ステラヴェローチェの入厩に合わせて馬房が2つの厩舎をバゴファミリーの家として、バゴと隣同士にしました。お父さんに見守られながら良い種牡馬生活を送ってほしいです」と話した。