強い馬づくりのための生産育成技術講座2024が開催される
11月20日夜、日高町富川東にある門別総合町民センター・2階大集会室において、強い馬づくりのための生産育成技術講座2024が開催された。
強い馬づくりのための生産育成技術講座2024は、JRA日高育成牧場と日高軽種馬生産振興会青年部連合会が主催し、日高軽種馬農業協同組合が後援。軽種馬の生産育成にたずさわる牧場関係者への情報提供・技術普及を目的とした講習会で、1998年から開催されているという。
開催に先立ち、JRA日高育成牧場浮島理場長は「本日は生産育成技術講座の開催にあたりまして、ご多忙のなか、こうして多くのみなさまに、お集まりいただき、たいへん感謝しております。JRAでは生産地のために還元できることはないかと心がけて仕事をしています。この講座のテーマについても、普段の研究、育成業務のなかで得られた知見を生産地のみなさまに還元していきたいという意識で、テーマの設定をしているところです。この講座は平成10年に日高育成牧場に生産育成研究室ができてからになりますので、25年以上の歴史がございます。今日は海外で研修を積んできた職員による報告と、装蹄の職員による3Dプリントシューの臨床応用について紹介いたします。ぜひとも、忌憚なきご意見、ご質問をいただきまして、この講座がより充実したものになりますよう、みなさまのご協力をお願いいたします」とあいさつ。続いて門別軽種馬生産振興会青年部中野将大部長が「今日はJRA日高育成牧場のみなさまに、このような機会を与えてくださって、どうもありがとうございます。日々の飼養管理が大事だということで、いろいろな情報を持ち帰って、活かしていただきたいとおもいます」とあいさつした。
講演会の司会進行は、大村一JRA日高育成牧場副場長と中野将大青年部長が担当。JRA日高育成牧場の竹部直矢氏による「【海外研修帰朝報告】英国・愛国における育成」とJRA日高育成牧場の橋本孟佳氏による「3Dプリントシューの装蹄応用」という2つの講演が行われた。
竹部直矢氏は2010年に東京農工大学を卒業し、獣医職としてJRAに入会。栗東トレーニングセンター競走馬診療所で3年、日高育成牧場で2年、馬事部で2年、宮崎育成牧場で3年、日高育成牧場で2年勤務した後の2022年3月に海外育成調教実践研修を開始。愛国で1年4か月、英国で8か月、繁殖や育成馬の現場で実践的な研修を続けてきた。帰国して今年3月に日高育成牧場に異動。現在は調査役として生産を担当している。
竹部直矢氏は研修先のなかから愛国のバリーリンチスタッドと英国と愛国にあるジャドモントファームの研修について報告。調教馬場、芝坂路馬場、英・愛と日本の芝馬場との違い、ブレーキング、調教メニューなどについて、表や動画、画像を駆使して紹介した。
橋本孟佳氏は、3Dプリントシューによる、ナックリングを呈していた馬への応用、重度蹄葉炎罹患馬への応用、幼駒の肢軸矯正の試みの3例を紹介。3Dプリントシューが装蹄療法の「選択肢のひとつ」になると説明した。
強い馬づくりのための生産育成技術講座2024は、18日に浦河町大通にある浦河総合文化会館4階文化ホールにおいても開催。両会場とも多くの牧場関係者が出席した。