馬産地ニュース

種牡馬管理者対象の種牡馬の飼養管理に関する講習会が開催される

  • 2024年11月14日
  • チャールズ・スコギン獣医師との記念撮影
    チャールズ・スコギン獣医師との記念撮影
  • 午前中の講義では多くの質問が寄せられた
    午前中の講義では多くの質問が寄せられた
  • 実習のモデルを務めるスクワートルスクワート
    実習のモデルを務めるスクワートルスクワート

 11月6日、新ひだか町静内田原にある公益社団法人日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場研修所において、種牡馬管理者を対象にした種牡馬の飼養管理に関する講習会が開催された。

 この講習会はJBBAが主催。NAR地方競馬全国協会の補助を受けて実施する軽種馬経営高度化指導研修事業の一環で、講師にはアメリカで活躍するチャールズ・スコギン博士が招聘された。

 講習会には日高や胆振の種馬場責任者や獣医師など約70人が出席。講習会の開催にあたり、主催者を代表してJBBA静内種馬場遊佐繁基場長は「これまでJBBAではさまざまな研修を行ってきました。今回の講習会では米国獣医師による種牡馬の飼養管理に関する講習会を開催することになりました。講師にはアメリカ・ケンタッキーのルードアンドリドル馬診療所のチャールズ・スコギン先生をお招きしてご講演していただきます。スコギン先生は、これまで、カリフォルニア州パイオニア馬診療所のほか、アメリカのダンジグ、ミスタプロスペクターなどの種牡馬を繋養していた名門クレイボーンファームの専属獣医師などを歴任しております。種牡馬診療のほか、種牡馬医療の経験を活かした生殖生理学研修や生殖補助医療技術に関する研修に携わってきました。本日の研修内容は、種馬場の獣医療、多頭数交配、新種牡馬の供用、シャトル種牡馬など多岐にわたっております。実際に種牡馬を管理するみなさま、あるいは、種牡馬に係る獣医師にとっては、ひじょうに有用なものになっています」とあいさつした。

 講習会は午前中に講義、午後からは実習という2部構成。午前中の講義では、配合管理、種付場スケジュール、繁殖牝馬の準備、試情検査といった種馬場における獣医療、サラブレッド種牡馬の種付回数、牧場生活への馴化、異常、交配試験、飼養管理、運動などの初供用種牡馬の準備、生殖能力への影響、アニマルウェルフェアと種牡馬管理の実践、シャトル種牡馬の資格といったシャトル種牡馬の管理について解説した。

 午後からの実習では、今シーズンをもって種牡馬引退を発表しJBBA静内種馬場にて功労馬として繋養されることになったデビッドジュニアとスクワートルスクワートを用いての精巣検査を実演。種馬場責任者や獣医師はモニターに映し出される映像を見ながらスコギン獣医師の説明に耳を傾けた。

 チャールズ・スコギン博士は「このような機会を設けていただきJBBAのみなさまに感謝申し上げます。日本におけるサラブレッドや競馬に対する情熱や気持ちには感動させられました。アメリカは競馬に陰りが見えますが、日本では盛り上がっていることがわかりました。みなさまの頑張りや努力のたまものだとおもいます。来日での経験は一生の思い出です。みなさまから受けた温かい歓待は一生忘れません」と今回の講習会を振り返った。