エーデルワイス賞(Jpn3)はミリアッドラヴが勝利
2022年生まれの2歳世代にとって最初のダートグレード競走となる「第27回エーデルワイス賞(Jpn3)が10月31日、門別競馬場ダート1,200mコースを舞台に12頭立てで行われ、好位を進んだJRAの西村淳也騎手騎乗の1番人気ミリアッドラヴが最後の直線で楽に抜け出し1分13秒1(良)で、地元のエイシンマジョリカに2馬身半差をつけて優勝。デビューからの通算成績を2戦2勝とした。
デビュー戦を楽勝したとはいえ、最終的な単勝オッズ1.4倍の支持を得ていたミリアッドラヴはキャリア1戦。初めて経験するナイター競馬に加えて、初コースに、初距離、そしてJRAにはない白い砂。そんな重箱の隅をつつくような可能性に希望を見出そうとした穴党ファンの夢は「2週連続で追い切りにも乗せてもらい調子の良さを感じ、自信しかなかった」という西村淳也騎手によってあっさりと打ち砕かれてしまった。
抜群のスタートダッシュ…とは言えないのはデビュー戦と同じ。しかし、初めて経験するダートスタートでも持ち前の加速力でリカバリーすると12秒2、10秒8というハイラップを刻む先行馬を追いかけ追撃態勢。「前の2頭がライバルだと思っていました」と西村淳也騎手はJRAのシンガポールターフクラブ賞をはさんで3連勝中のハーフブルー、そして同じくJRAから参戦してきたアーデルリーベを射程圏内に入れながら前を追う。結果、前半3ハロンの通過ラップは34秒5。これは、前走のネクストスター門別で1番人気に支持されていたエターナルウインド、同じくネクストスター門別3番人気ワンダーウーマンが早々に力尽きるハイラップだったが「門別競馬場(の白い砂)は走りやすい。馬も楽しんで走っていた」というミリアッドラヴは「少し早いかな」という西村淳也騎手からのゴーサインに応えるように4角手前でアーデルリーべを交わし、直線なかばでハーフブルーをねじ伏せた。
勝ったミリアッドラヴは安平町ノーザンファームの生産馬で、昨年のセレクトセール1歳セッション取引馬。おばにダートグレード2勝のワンミリオンス、祖母の半兄にテスタマッタがいる血統馬。この勝利で2023年セレクトセール取引馬の重賞勝ち馬第1号となった。
そして、社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送る父ニューイヤーズデイにとっては今春の兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)に勝ち、ここ門別競馬場の北海道スプリントカップ(Jpn3)で2着となったエートラックスに続いて、2世代連続でダートグレード優勝馬を送り出すことになった。
「次はJpn1(全日本2歳優駿)になると思います」と西村淳也騎手。その結果次第では〝世界〟への期待が大きく膨らむことになりそうだ。