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ノーザンファームミックスセール繁殖牝馬セッションが開催される

  • 2024年10月28日
  • 最高価格はグレナディアガーズ受胎のラクアミ
    最高価格はグレナディアガーズ受胎のラクアミ
  • 最高価格馬となったラクアミ
    最高価格馬となったラクアミ
  • 未供用馬の最高価格はアマギール
    未供用馬の最高価格はアマギール
  • アマギールはアエロリットの半妹
    アマギールはアエロリットの半妹
  • 高額第3位は未供用の4歳馬サファイヤ
    高額第3位は未供用の4歳馬サファイヤ

 ノーザンホースパークが主催する「ノーザンファームミックスセール2024」の繁殖牝馬セッションは、10月22日の同当歳セッション終了後、午後1時頃からスタートした。2019年に始まったノーザンファーム繁殖牝馬セールの流れを引き継ぐもので、今回が6回目。これまでの取引馬の中にはジャパンカップ(G1)優勝ヴェラアズールの母ヴェラブランカや、昨年の菊花賞(G1)に勝ったドゥレッツァの母モアザンセイクリッドなどがいるほか、この春は、2020年セール取引馬の中からコスモキュランダ(弥生賞ディープインパクト記念(G2)、皐月賞(G1)2着)やスウィープフィート(チューリップ賞(G2))がクラシック戦線で活躍し、話題を集めていた。

 今回の上場馬は74頭(受胎馬45頭、未供用馬29頭)。このうち64頭(受胎馬41頭、未供用馬23頭)が売却され、総額745,250,000円(税込)を記録した。上場頭数は前年比9頭増で、売却等数は同4頭増。86.5%の売却率は前年比5.8pt減となり、総売上も同8.8ptマイナスの71,500,000円減となった。

 最高価格を記録したのは新種牡馬グレナディアガーズを受胎しているラクアミ(12歳、父ダイワメジャー)の41,800,000円。半弟に2016年京王杯2歳S(G2)優勝馬モンドキャンノがいる血統で、自身は芝1,600m以下の距離で3勝を記録。現役引退後はノーザンファームで繁殖牝馬となり、競走年齢に達した産駒4頭中3頭がJRAで勝ち上がっている。中でも今年デビューした産駒のアルマヴェローチェは札幌2歳S(G3)2着馬と活躍中という繁殖牝馬だ。(株)Winning Horse Clubが前記価格で、その争奪戦にピリオドを打った。

 高額第2位は未供用馬のアマギール4歳、父ロードカナロア)。半姉にアエロリット(NHKマイルC(G1)、毎日王冠(G2))、従兄にミッキーアイル(最優秀短距離馬、種牡馬)がいる血統で、その潜在能力は高く評価されていたが、デビューが遅れて思うような成績を残すことができずに岩手競馬での2勝のみで引退。しかし、そうした血統、及び現役時代の最高馬体重496kgの馬体が評価されたのか、Repole Stable,Inc.によって34,100,000円で落札されている。

 高額第3位も未供用馬のサファイア(4歳、父ロードカナロア)。半姉に2021年桜花賞(G1)5着、オークス(G1)5着のアールドヴィーヴルがいる血統で、サファイア自身もデビュー2戦目に芝1,600m戦で初勝利。さかのぼればダービー馬フサイチコンコルドを輩出したバレークイーンにたどり着くファミリーだ。この馬は(有)北星村田牧場が29,700,000円で落札した。

 こうした結果にノーザンファームの吉田俊介副代表は「これまで市場に上場してきた馬は泣く泣く手放さざるを得なかった馬ばかりなので、そういう馬たちが活躍馬の母となってくれたことは日本産馬のレベルが上がっていることの裏返しだと思う。中長期展望では上場頭数を増やしていくつもりではあるが、今は日本全体で繁殖牝馬頭数が増えている状況なので、いろいろ精査して次回開催につなげたい」とコメントがあった。