馬産地ニュース

一般社団法人札幌馬主協会の馬産地懇談会が行われる

  • 2024年10月23日
  • 新ひだか町で開かれた馬産地懇談会
    新ひだか町で開かれた馬産地懇談会
  • 講師と務めた杉山晴紀調教師
    講師と務めた杉山晴紀調教師
  • 札幌馬主協会会員や牧場関係者など約100人が出席
    札幌馬主協会会員や牧場関係者など約100人が出席

 10月7日夜、一般社団法人札幌馬主協会(岡田牧雄会長理事)は、新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテル2階エクリプスホールにおいて、第20回馬産地懇談会を開催した。

 馬産地懇談会は札幌馬主協会の事業のひとつ。場所柄、会員の多くが生産者であることから、毎年秋に馬産地の中心である新ひだか町で開催している。馬産地懇談会は講師を招いての講演と立食懇談会の2部構成。今年の講師には2023年にJRAリーディングトレーナーに輝いた栗東の杉山晴紀調教師が招聘された。

 馬産地懇談会には岡田会長理事をはじめとした役員や会員、牧場関係者のほか、来賓としてJRA日本中央競馬会から札幌競馬場の植田嘉奈子場長、日高育成牧場の浮島理場長と大村一副場長、日高軽種馬農業協同組合の古川雅且代表理事組合長らが出席。開催にあたり懇談会を主管する事業サービス委員会の安原浩司副委員長は「本日はお忙しいなか、馬産地懇談会に多くの方にお集まりいただきましてあつく御礼申し上げます。ご案内の通り、本日は昨年のリーディングトレーナーであります杉山調教師をお招きしております。紹介するまでもなく、非常に輝かしい成績を残されている調教師です。印象深いのは2020年でしょうか、牝馬三冠馬は7頭いますが、無敗で牝馬三冠になったのはデアリングタクトだけということです。その年のジャパンカップ(G1)におきましては三冠馬対決、コントレイルとアーモンドアイとデアリングタクトが素晴らしいレースを披露されました。直近では浦河の三嶋牧場生産馬のルガルが、スプリンターズステークス(G1)で優勝されました。このように素晴らしい成績を残される杉山先生の講話と懇親会でございますが、皆さま方におかれましては、杉山先生の素顔、成功の秘訣などをお聞きいただければ、わたくしどもは幸いでございます」と、主催者を代表して岡田会長理事は「今日の講師の杉山先生には、わたしは個人的に頭が上がらなくて、無敗の三冠牝馬デアリングタクトを出していただいて、感謝している次第です。そのなかで杉山先生の性格を感じ取ったのは、競馬ファンのためにも万全の態勢で競馬を使いたいといったことです。とても強い信念を持った方です。恵まれた環境で調教師になられたとわたしはおもってないのですが、そのなかでこれだけの成績を残すのは、かなりの努力と能力がないとできないとおもっています。今日の講演はわたしが一番楽しみにしていますし、いろいろな質問をしたいと来ました。みなさまもよいひと時を過ごしてください」とあいさつした。

 講師として招かれた杉山晴紀調教師は神奈川県出身。2004年4月JRA競馬学校厩務員課程に入学。2004年7月に厩務員、調教助手になり、2016年に調教師免許を取得した。初出走は2016年10月22日第3回新潟競馬第3日目第3競走プリティクイーンで8着。初勝利は2016年10月29日第3回新潟競馬第5日目第7競走ゼンノスサノヲで延べ6頭目だった。2020年に優秀厩舎賞(関西)4位、2022年に優秀厩舎賞(関西)2位、2023年に56勝をあげ2023年度JRA賞(最多勝利調教師)、優秀厩舎賞(関西)1位、関西競馬記者クラブ賞を受賞。これまでにJRA重賞勝利は、2018年のJBCクラシック(Jpn1)のケイティブレイブ、2020年の桜花賞(G1)、オークス(G1)、秋華賞(G1)のデアリングタクト、2023年の天皇賞(春)(G1)のジャスティンパレス、2024年のスプリンターズS(G1)のルガルなど20勝になる。

 講演は事前に会員から寄せられた質問に答える形で進行。「私は牝馬の調教担当していますが、牝馬と牡馬とで調教メニュー変えていますか?また、牝馬を管理するうえで気をつけていることはありますか?」、「普段の調教で心がけていることはありますか?ルーティンワークで必ず行っていることなどありますか?」、「どのような方針で厩舎スタッフに教育・指導していますか?」、「早期デビューできる馬の目安・指標等、調教進度以外でありましたら教えてください」、「牧場からトレセンに送った時の馬の状態で、厩舎側としてどういう状態が良いとおもいますか。例えば、どこまでスイッチを入れておくか、リラックスしたと感じるのか」、「馬のトップコンディションはどのくらいの期間維持できるとお考えでしょうか?教えてください」、「もし自由に管理馬房を増やせるとしたら、いくつまで増やしますか?」、「リーディングトレーナーになった時のお気持ちを教えてください」、「競馬の世界に入ろうとしたきっかけは?」、「座右の銘(好きな言葉)は?」、「好きな芸能人は?(できれば女性で)」、「休日や息抜きには何をされていますか?」、「馬とのかかわり(興味を持ったのは)は何歳ぐらいから?」など、競馬や調教のほかプライベートに関することまで丁寧に回答した。