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ネクストスター門別でミラクルヴォイスが重賞初勝利

  • 2024年10月15日
  • 馬場の真ん中を堂々と突き抜けた
    馬場の真ん中を堂々と突き抜けた
  • デビュー5戦目の重賞制覇
    デビュー5戦目の重賞制覇
  • コスモバルクを生産した加野牧場生産馬
    コスモバルクを生産した加野牧場生産馬
  • 走るごとに時計を詰めて重賞初勝利
    走るごとに時計を詰めて重賞初勝利
  • 佐久間雅貴調教師(右から3人目)は久しぶりの重賞勝利となった
    佐久間雅貴調教師(右から3人目)は久しぶりの重賞勝利となった

 未来優駿2024の対象レースにもなっている「第2回ネクストスター門別」が3日、門別競馬場ダート1,200mコースで行われ、新ひだか町の加野牧場生産で、松井伸也騎手騎乗の4番人気ミラクルヴォイス(牡2、北海道・佐久間雅貴厩舎)が、中団から脚を伸ばし、2番人気ベラジオドリームに1馬身差をつけ優勝。2度目の重賞挑戦で重賞ウィナーの仲間入りを果たし1着賞金1,000万円を獲得した。通算成績は5戦3勝3着1回で、勝ちタイムは1分13秒5(良)。ミラクルヴォイスは、父ゴールドドリーム、母ミラクルフラワー(その父プリサイスエンド)という血統。手綱を取った松井伸也騎手の重賞勝利は昨年のブロッサムカップ(優勝馬ヴィヴィアンエイト)以来で通算11勝目。管理した佐久間雅貴調教師は2021年ウポポイオータムスプリント(優勝馬ジャスパーシャイン)以来で、通算9勝目となった。

 重賞勝ち馬不在。文字どおりに明日のスターを夢見る12頭が、その挑戦権をかけた1戦は、レースキャリアを積むごとに安定性を増してきたミラクルヴォイスが、その豊かな将来性を垣間見せる1戦となった。

 強靭な末脚を武器とするミラクルヴォイスにとっての課題はスタート。そしてゲートを出てからの加速力。デビュー戦こそ抜群のスタートから逃げ切り勝ちを収めたものの2戦目の「強心臓キクチで特別」は出遅れて流れに乗れず5着、サッポロクラシックカップは結果的には3着まで押し上げたもののテンの2ハロンが12秒3、10秒2という急流に戸惑いを見せるように位置取りが悪くなった。関係者の懸命な努力の甲斐あって、前走の「ピンクサファイア特別」では互角のスタートから父ゴールドドリームゆずりの末脚を繰り出して2勝目。「前走のような競馬ができれば、差はないはず」と、この舞台に駒を進めてきた。

 ゲートが開いて、ダッシュよく飛び出したのはサウンドバッハ。サッポロクラシックカップ、そして「ピンクサファイア特別」でともに1番人気に支持された素質馬で、デビュー間もない頃はスピードにまかせたレースをしていたが、近走では脚質転換を図っていることから宮内勇樹騎手は無理せず、代わりに宮崎光行騎手に乗り替わった3連勝中の1番人気エターナルウインド、スーパーフレッシュチャレンジ競走2着スティールブライト、1,000m戦で2勝を挙げている快速ヴィグラスデイズ、そしてサッポロクラシックカップ2着で2番人気ベラジオドリームらが、レースを引っ張る。テンの2ハロンが12秒3、11秒0なので決して速くはないが、有力馬が前目にポジションを取ったことでラップ以上に澱みのない流れになった。

 「普段の調教からずっと乗っているので、状態の良さには自信がありました」と松井伸也騎手が手綱を取るミラクルヴォイスは最外枠だったこともあって、互角のスタートから、これら他馬の出方をうかがうように、連勝中の3番人気ワンダーウーマンとともに中団待機。抜群の手応えを保ったままマイポジションをキープしつつ、4角手前から進撃を開始。最後は馬場の真ん中を豪快に伸びて重賞初勝利。レース後のインタビューで「1戦ごとに競馬が上手になり、強くなっている」と愛馬をたたえた。

 こうしたパフォーマンスに佐久間雅貴調教師は「前走も悪い競馬ではなかったので、良い状態をキープすることだけを考えていました。これから少しずつ距離を伸ばしていきたい」と、さらなる活躍を誓った。