瑞穂賞はベルピットが重賞9勝目を挙げる
道営記念に向かう上での重要なステップレース「第57回瑞穂賞(JBC協会協賛デクラレーションオブウォー賞)が9月26日、門別競馬場で行われ、4番手から4角で先頭に立った桑村真明騎手騎乗の1番人気ベルピット(牡4、北海道・角川秀樹厩舎)が、3番人気スコルピウスに4馬身差をつけ優勝した。勝ちタイムは1分55秒6(良)。日高町の厚賀古川牧場の生産馬で、通算成績は17戦13勝2着2回3着1回(重賞9勝)。総賞金7,790万円。
手綱を取った桑村真明騎手の重賞勝利は今年の旭岳賞(優勝馬ベルピット)に続くもので、通算65勝目。管理する角川秀樹調教師の重賞勝利も今年の旭岳賞(優勝馬ベルピット)に続くもので通算137勝目となった。
今シーズンのベルピットはまさに無双状態。シーズン初戦こそ特別競走を使ってきたが、その後はJBC協会が協賛する「カウントアップチャレンジのミドル・マイル」の指定レースとなっている「コスモバルク記念」「赤レンガ記念」「旭岳賞」をまさに無人の野を突き進む快進撃を続けている。
猛暑に見舞われた夏は適したレースがなかったために、この日は約2か月ぶりの実戦となったとはいえ、夏の間も厩舎で休まずと調整され「状態に不安はなかった」と角川秀樹調教師。レースに向けての最終追い切りも単走で終い重点で、結果「いつもより落ち着きがあった」とレース後に桑村真明騎手が話していたように風格を身に着けたプラス4kgの馬体重で、その雄姿をパドックにあらわした。
レースでは、ややあおり気味のスタートから後方待機。以前は、前進気勢が強いあまり、前に馬がいるとエキサイトするシーンも見受けられたが、この日はダイメイコリーダが刻む前半3ハロン39秒3(13秒6、12秒6、13秒3)のスローペースにもしっかりと折り合い、1周目ゴール前を後方2番手で通過する。先頭を行くダイメイコリーダがやや離した逃げで、スコルピウスとドテライヤツが2番手、3番手を並走し、1~2角でナムラゴロフキンを交わしたベルピットが4番手。我慢比べのような淡々とした流れが動いたのは3~4角の中間地点。「(ゴーサインを出したら)動き出しもしっかりと反応してくれた」というベルピットが外を回りながら先行馬たちをのみ込み先頭に踊り出ると、ラスト2ハロンは12秒7、13秒3。ゴール前では手綱を抑えたために時計はかかったが、圧倒的な力の差を見せつけるかのように先頭ゴールインを果たしている。
完璧な走りを見せた愛馬に桑村真明騎手は「以前よりもトモがしっかりして精神的にも大人になってきた」と全幅の信頼を寄せ、角川秀樹調教師も「スタートだけが心配だったが、上手に出てくれた。直線に向いてからの反応がこれまでに比べると良くなかったように感じたが、勝って当たり前という状況の中で勝ち切ってくれた」とその走りを称えた。
シーズン当初から「目標は道営記念。すべては、そのレースが終わってから」と言い続けてきた師弟の目標まで、あと1つだ。