ノーザンホースパークでRRC引退競走馬杯が開催される
9月28日、29日、苫小牧市美沢にあるノーザンホースパークにおいて、引退競走馬杯(Retired Racehorse Cup)が開催された。
RRC引退競走馬杯は、競走馬登録されていたサラブレッドが引退し、リトレーニング後に乗用馬として用途変更した際に出場できる馬術競技。JRA日本中央競馬会による特別振興資金助成事業のひとつで、引退競走馬のセカンドキャリアとして、乗馬・馬術競技は従来から最も活躍してきた場であり、その競技で好成績を収めた引退競走馬を表彰することにより、国民に馴染み深い競走馬の引退後の活躍を広く紹介するとともに、乗馬、馬術の魅力を発信し乗馬のさらなる認知、乗馬人口の増大に繋げること、 また、乗馬普及・底辺拡大をさらに推進すべく、大人しくて乗りやすい乗用馬資源の創生を目標とし、引退競走馬のリトレーニング技術の向上と馬に関わる人材育成のために「奨励金」等を交付すること、 引退競走馬のセカンドキャリア形成の第一歩が、同事業を通じて直接的に乗馬・馬術への入り口として定着することを目的としている。
競技種目は障害馬術競技と馬場馬術競技の2種目。出場馬の条件は、「公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルに血統登録(内国産、外国産を問わず)され、JRA日本中央競馬会、NAR地方競馬全国協会の競走馬として最終レースを令和3(2021)年1月1日以降の出走歴を持つ3歳以上の馬とする。ただし「出走取消(競走除外)」は出走歴には含まない。また、未出走馬は年齢が3歳以上7歳以下とし、年齢は馬年齢(1月1日)を適応する。マイクロチップ等を用いた個体識別を行う。競走馬として出走を終えた若いサラブレッドが出場するので、馬のウェルフェア(FEI馬のスポーツ憲章)に十分配慮すること。特に、最終出走からエントリーまでは、馬体のケアやリトレーニングのために適正な期間を設ける等の配慮をすること。各大会とも1種目に1頭の馬が複数回出場することはできない。また、一般観戦者等に競技について理解しやすくするためオープン参加(表彰対象外の出場)は認めない。」となっている。
ノーザンホースパークでの引退競走馬杯は、北海道地区乗馬倶楽部振興会の主催、公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会の共催、酪農学園大学馬術部の協力により開催された第46回北海道地区乗馬大会のなかで実施。28日に障害馬術競技を、29日に馬場馬術競技を実施した。
28日の障害馬術競技には、2019年の京阪杯(G3)などを制覇したライトオンキュー、2020年の福島記念(G3)などを制覇したバイオスパーク、2019年の毎日杯(G3)などを制覇したランスオブプラーナ、2019年の菊花賞(G1)2着のサトノルークス、2017年のNHKマイルC(G1)3着のボンセルヴィーソなどを含め24頭が出場。全24頭が死力を尽くした結果、総減点0、2段階目走行タイム28秒51を記録したクラヴィスオレアが1位。2位は総減点0、2段階目走行タイム29秒71のジュピターズライト、3位は総減点0、2段階目走行タイム30秒34のポケットロケット、4位は総減点0、2段階目走行タイム30秒65のキタノインパクト、5位は総減点0、2段階目走行タイム3112秒のストーンフェンスとなった。
1位となったクラヴィスオレアは、父がレッドスパーダ、母がクラリン、母の父がキングヘイローという黒鹿毛の8歳。平取町にある坂東牧場の生産馬で、現役時代は2021年のOROターフスプリントを制覇するなど27戦5勝の成績を収めた。現在は札幌市にあるモモセライディングファームに所属。高校生の百瀬光さんが騎乗した。なお、2位のジュピターズライトもモモセライディングファーム所属、騎乗者は百瀬光さんだった。
1位のクラヴィスオレアと2位のジュピターズライトの上位2頭は、12月1日に東京都にあるJRA馬事公苑にて開催されるRCC障害馬術ファイナル大会への出場権利を獲得。表彰式ではJRA札幌競馬場の植田嘉奈子場長が1位のクラヴィスオレアと百瀬さんに優勝賞金40万円の目録を贈呈するなど、5位までの入賞者を祝福した。また、総減点0で走行した人馬にはクリアラウンド賞が贈られた。
29日の馬場馬術競は、2018年の有馬記念(G1)、2019年の札幌記念(G2)、2020年のAJCC(G2)などを制覇したブラストワンピースが優勝し、ランスオブプラーナが2位に入賞。この2頭が12月1日にJRA馬事公苑で開催されるRRC FINAL 2024への出場権利を獲得した。