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札幌競馬場で「じみち美人コンテスト・体験乗馬」が行われる

  • 2024年10月03日
  • 優勝した「結月」号
    優勝した「結月」号
  • 準優勝の「鉄舞風16」号
    準優勝の「鉄舞風16」号
  • コンテストはトーナメント方式で行われた
    コンテストはトーナメント方式で行われた
  • 審査はパドックのカメラ台から行われた
    審査はパドックのカメラ台から行われた
  • 左から優勝した「結月」号、「鉄舞風16」号「緑」号とベストドレッサー受賞者
    左から優勝した「結月」号、「鉄舞風16」号「緑」号とベストドレッサー受賞者

 北海道札幌市のJRA札幌競馬場では9月29日、北海道和種馬(どさんこ)を使った「じみち美人コンテスト・体験乗馬」(主催:北海道和種馬保存協会)を開催した。

 “じみち”とは“側対歩(そくたいほ)”と呼ばれる歩き方で、左右の前脚と後脚が同時に同じ方向に動くもの。キリンやラクダ、象などにはみられるが、ウマ族の中では世界的にも珍しい。上下の反動が少なく、また長距離の移動に適した歩き方で、北海道和種馬の遺伝的特徴でもある。

 北海道和種馬は、現在8品種(北海道和種、木曽馬、野間馬、対州馬、御崎馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬)とされている日本在来種のひとつ。体高約130cmで、サラブレッドよりも小柄だが、粗食に耐え、丈夫な体、体力を備えて開拓時代には大活躍した。減少傾向が続いていたが、令和に入ってやや増加。現在は年間140頭ほどが生産され、1,100頭弱が登録されている。

 今回、コンテストに参加したのは「鉄舞風16」(てつまいかぜ、牡8歳、父:舞風13の2、母:第三鉄風の八、芽室市・川原弘之氏生産)「嵐風」(あらしかぜ、牡12歳、父:白風、母:嵐之、芽室市・川原弘之氏生産)「鉄風14」(てつかぜ、牝10歳、父:白風、母:第三鉄風の八、芽室市・川原弘之氏生産)「鐘富士姫」(かねふじひめ、牝19歳、父:台風、母:鐘富士、札幌市・藤本時康氏生産)「沙雪」(さゆき、牝14歳、父:紅の花桜、母:秋悠、北広島市・馬場稔氏生産)「小春姫」(こはるひめ、牝13歳、父:秀文富士、母:雪姫、千歳市・石田勝夫氏生産)「緑」(みどり、牝4歳、父:北龍、母:和姫、北広島市・馬場稔氏生産)「結月」(ゆづき、牝3歳、父:北龍、母:小春姫、北広島市・馬場稔氏生産)の8頭。審査員は北海道和種保存協会の近藤誠司会長、酪農学園大学の天野朋子教授、札幌馬主協会の岡田牧雄会長の3人が務め、参加馬は札幌競馬場のパドックに設けられた規定のコースを2周し、より美しい歩様を見せた馬が勝ち抜いていくトーナメント方式で争われた。

 結果は1回戦で「鉄風14」を、2回戦で「沙雪」を破って決勝戦に進んだ「結月」が、同じく1回戦で「嵐風」を、2回戦で「緑」を破ってきた「鉄舞風16」を下して優勝し「沙雪」と「緑」の争いとなった3位決定戦は「沙雪」が評価で上回った。

 解説を行った白井興一事務局長は「今日は整った場所を歩かせてもらいましたが、北海道和種馬は、もともと運搬用に育てられた馬ですから、例えば被災地に緊急支援物資を運び入れるという使い方もできますし、体高の低い馬ですから恐怖心なく子供を乗せることもできます。今日は、そんな馬をたくさんの方々に見ていただき、ありがたいと感じましたし、楽しんだという声もいただきました。若い馬2頭が上位に入ってくれたことも、今後が楽しみです」と振り返った。