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ウポポイオータムスプリントは4番人気ストリームが勝利

  • 2024年09月20日
  • 積極的なレース運びで後続を封じたストリーム
    積極的なレース運びで後続を封じたストリーム
  • 完璧なレース運びで堂々と帰ってきた
    完璧なレース運びで堂々と帰ってきた
  • 4つめの重賞タイトルは世代交代を突き付けるものとなった
    4つめの重賞タイトルは世代交代を突き付けるものとなった
  • 悔しい思いを重ねた岩橋騎手は笑顔でインタビューに答えた
    悔しい思いを重ねた岩橋騎手は笑顔でインタビューに答えた
  • 田中淳司調教師(右端)にとっては記念すべき重賞100勝目
    田中淳司調教師(右端)にとっては記念すべき重賞100勝目

 上位2着馬までに「道営スプリント」への優先出走権が付与される「第5回ウポポイオータムスプリント(JBC協会協賛ファインニードル賞)」が9月12日、門別競馬場で行われ、積極的に2番手を進んだ岩橋騎手騎乗の4番人気ストリームが直線入り口で逃げ馬を交わすと、そのまま最後までしぶとく脚を伸ばして1分13秒5(良)で優勝。昨年の栄冠賞、今年4月のネクストスター北日本、6月のグランシャリオ門別スプリントに続いて4つ目の重賞タイトルを獲得した。本馬は浦河町の三嶋牧場によるオーナーブリーディングホースで通算成績は11戦6勝2着1回。獲得賞金は40,720,000円となった。

 騎乗した岩橋騎手の重賞勝利は先月のポラリスサマースプリント(優勝馬スペシャルエックス)に続くもので、今年5勝目、通算34勝目。管理した田中淳司調教師にとっては、今年、盛岡競馬場で行われたジュニアグランプリ(優勝馬キングミニスター)に続く重賞勝利で、これが記念すべき重賞100勝目となった。

 1番人気を背負った星雲賞、そして田中淳司調教師が前々から「目標としたい」と広言していた北海道スプリントカップ(Jpn3)ではいずれも不完全燃焼だったが、昨年は不敗のまま栄冠賞に勝ち、今年のシーズン初頭はネクストスター北日本、グランシャリオ門別スプリントを連勝してきたストリーム。その実力は誰もが認めるところだが、時としてスタートで後手を踏むようなところもあって、ここ2戦は歯がゆい思いを続けていた。

 「もう負けられない」。このレースは、直前の坂路調教でも先行する2頭を後ろから追いかけて先着させるなど、しっかりと負荷をかけ、いわば背水の陣で挑んだ1戦でもあった。

 ベテランの宮崎騎手に乗り替わった快足オスカーブレインが刻んだのは12秒3、10秒9、11秒7(前半3ハロン=34秒9)というハイラップ。ダートグレードの北海道スプリントカップ(Jpn3)がやや重馬場だったにもかかわらず12秒3、10秒8、12秒0(同35秒1)だったのだから、馬場状態も含めて比べるとかなり速い。

 そのペースを「レース前、とくに位置取りは考えていなかった」と話していた岩橋騎手が追いかける。「前走は不甲斐ない競馬をしてしまったので、馬の気持ちを切らさないように」という同騎手の気迫が乗り移ったかのように、愛馬はその猛ラップを刻むライバルに対して、ぴったりと馬体を併せながら2番手を追走。さすがに最後は12秒7、13秒3と時計を要してしまったが、猛追するJRA3勝クラスからの転入馬ドリームビリーバー、そしてホッカイドウ競馬が誇る短距離界の絶対王者スティールペガサスの追い込みを封じて先頭のままゴールへと飛び込んだ。これで、対スティールペガサスは2戦2勝。若き3歳馬が、ベテランに真っ向勝負で世代交代を突き付けた1戦となった。

 田中淳司調教師は「今日は斤量差もあって強い古馬に強い競馬をしてくれましたが、まだまだ展開次第で着順は入れ替わると思います。ただ、高い能力を示した1戦でもあったと思います。さらに気を引き締めて次走以降に挑みたい」と喜びを噛み締めた。