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フルールカップは2番人気ゼロアワーが勝利

  • 2024年09月03日
  • 前走からマイナス6kg
    前走からマイナス6kg
  • 新種牡馬ステッペンウルフに大きなタイトルを届けたゼロアワー
    新種牡馬ステッペンウルフに大きなタイトルを届けたゼロアワー
  • 吉原騎手は2016年ピンクドッグウッドに続くフルールカップ2勝目
    吉原騎手は2016年ピンクドッグウッドに続くフルールカップ2勝目
  • 3度目の重賞挑戦で重賞初勝利
    3度目の重賞挑戦で重賞初勝利
  • 佐々木調教師(左から6人目)は開業6年目の重賞初勝利
    佐々木調教師(左から6人目)は開業6年目の重賞初勝利

 8月21日、門別競馬場で2歳牝馬限定重賞「第11回フルールカップ」(JBC協会協賛アメリカンペイトリオット賞)が精鋭10頭を集めて行われ、日高町の新生ファームの生産で、吉原寛人騎手騎乗の2番人気ゼロアワーが、2番手追走から楽に抜け出してデビュー4戦目で初の重賞タイトルに輝いた。勝ちタイムは1分14秒0(やや重)。

 先手を奪ったのは先行力を武器に栄冠賞5着、リリーカップ3着と健闘を続けていた7番人気のボディコンシャスだった。父ニシケンモノノフゆずりの先行力でレースを引っ張る。時計が出易い馬場状態だったとはいえ、1,000mのリリーカップでさえ11秒7-11秒6のラップだったのだから12秒1、10秒8は速い。2番手にはゼロアワー。栄冠賞で牡馬を相手に3着と実力の片りんを見せたものの、前走リリーカップでは初めて経験する1,000mのペースに戸惑いを見せたのか2番人気5着と失速。しかし「中間は、暑さにも負けずこのレースを目標にして、順調に調整できた。しっかりと飼い葉を食べていたし、負荷をかけてきた上でのマイナス6kg。馬体が締まって見えた」と佐々木調教師が自信を持って送り出した快速牝馬だ。

 3番手は外に5番人気オッズ14.0倍スティールブライト、内に6番人気オッズ14.1倍レディーティアラが続き、5番手には前走のアタックチャレンジ競走を好内容で勝ち上がった3番人気スノーキャンドルが、やや促されながら続く。

 強烈な末脚を武器にオッズ1.9倍の人気を集めていたジャイヴトークは、やや離れた6番手。1,200m戦は今回が初めてだが、デビュー戦は最初の2ハロンが23秒6という速い流れを2番手追走から差しきり、前走も2着に敗れたとはいえ3着以下には6馬身の差をつけており、その末脚は距離伸びてさらに威力が増すと見られていた。

 向こう正面なかばを過ぎ、中盤のラップは11秒6、12秒6。隊列に大きな変化はなかったが、レースは消耗戦の様相を呈し、先頭の馬と最後方の馬との差が徐々に広がっていく。

 レースが動いたのは4角手前。「十分な手応えが残っており、また前残りの馬場になっていたので」と吉原騎手騎乗のゼロアワーが、逃げ込みを狙うボディコンシャスにゼロアワーが並びかけ、そしてあっさりと交わして先頭に。最後の2ハロンは13秒1、13秒8とスプリント戦らしい流れになったが、追ってくる馬はなくゼロアワーが先頭でゴールへと飛び込んだ。

 「前走のリリーカップはゲートの中でテンションが上がってしまい、思うような競馬が出来なかった。今回はゲートに入るまではうるさかったが、中では落ち着いていてスムーズな競馬ができた。前走の経験が生かされたと思う」というのは、門別競馬場では2019年のノースクイーンカップ(優勝馬クレイジーアクセル)以来の重賞勝利となった吉原騎手。そして、この勝利は2018年から調教師として管理馬をレースに送り出している佐々木国明調教師にとっては開業6年目で初の重賞勝利となった。「頑張って走ってくれた馬に感謝したい。今後はエーデルワイス賞(Jpn3)を視野に入れながら調整していきたい」とコメントした。