ブリーダーズゴールドジュニアカップはリコースパローが優勝
8月22日、北海道の門別競馬場で「第18回ブリーダーズゴールドジュニアカップ」(JBC協会協賛ジャスタウェイ賞)が行われ、日高町のリコーファームの生産で、落合玄太騎手騎乗の2番人気リコースパローが逃げ切り勝ち。初の重賞タイトルを手中にするとともにデビューからの連勝記録を「3」とした。勝ちタイムは1分50秒5(やや重)。
リコースパローは父シニスターミニスター、母リコーデリンジャー(その父スウェプトオーヴァーボード)という血統。3月の能力検定を楽に逃げ切ったときから注目を集める1頭で、管理する川島洋人調教師も早くから「重賞級」と、その素質を高く評価していたが、そ れは5月の1,100mフレッシュチャレンジ競走に勝って能力の高さを証明され、7月9日の1,700mターフチャレンジ競走で一気の距離延長、そして初めて経験するコーナー4つの競馬にもしっかりと対応したことで現実味を増していた。
この日のオッズは2.9倍の2番人気。
逃げようと思えば逃げられるスピードの持ち主であることはデビュー戦の結果から明らかだったが「逃げたいとは思っていなかった」と落合騎手。すぐ隣には栄冠賞を含め短距離戦ばかりを使われながら不敗の3連勝で駒を進めてきた3番人気オッズ3.6倍のベラジオゼロがおり「隣の馬(ベラジオゼロ)の出方次第で」と思っていたそうだが、ゲートはほぼ互角で、この日のダッシュ力はリコースパローに一日の長があり、コーナーワークを利して自然とハナに立つような格好となった。
3番手には1,100mフレッシュチャレンジ競走を圧勝してきたフークトウフェンが続き、3連勝中でオッズ1.9倍1番人気ソルジャーフィルドが4番手。
「雨、やや重」で時計が出やすいコンディションでもあり、半マイル通過が52秒1で、前半1,000mが64秒2だから、決して早くはない。それでも、逃げるリコースパローにベラジオゼロがプレッシャーをかけ続けた結果、2角手前からバックストレッチ3角過ぎまで13秒3、13秒1、12秒2、12秒0という加速ラップとなったことが、レースの厳しさを物語る。こうした流れの中、人気を背負ったソルジャーフィルドも外を回りながらポジションを上げる。4角を先頭でまわったリコースパローが最後の力を振り絞るようにベラジオゼロを突き離し、ゴール前で、そのベラジオゼロを交わしたのがソルジャーフィルドだった。最後の3ハロンは12秒3、13秒5、14秒5。スタミナと底力を競うようなレースとなった。
レース後「マークされる形になったが、折り合いはついていた」と落合騎手。愛馬を信じた強気の騎乗が大輪の花を咲かせる結果となった。
管理馬によるワン・ツー・フィニッシュを成し遂げた川島洋人調教師は「嬉しいような、悔しいような」と複雑な表情でインタビューに応えながら「(リコースパローは)学習能力が高い馬。次も楽しみ」と胸を張った。
このレースの優勝馬は一昨年のベルピット、昨年のブラックバトラーと、いずれもJBC2歳優駿(Jpn3)で地方競馬勢最先着を果たしており、今年はリコースパローが、その期待を背負う。