北海道静内農業高等学校生産馬が北海道サマーセールで売却される
8月21日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長、生徒数161名)は、新ひだか町静内神森にある北海道市場を会場に開催された日高軽種馬農業協同組合が主催する北海道サマーセールにおいて、生産馬を1,650,000円(税込)と2,640,000円(税込)で売却した。
1,650,000円で売却されたのは上場番号465番のマドリガルスコア2023。父は新ひだか町静内田原にある日本軽種馬協会静内種馬場で供用され、1歳世代が初年度産駒になるミスチヴィアスアレックス、母の父はダンスインザダークという血統で2023年5月17日に生まれた鹿毛の牝馬になる。
せりは生産科学科馬事コース3年生で苫小牧市出身の三浦聖晴さんが担当。購買したのはJRA日本中央競馬会だった。三浦さんは「今回のせりを通して売れたことは良かったです。ただ、自分としてはこれまで最高だった売却金額を超えてほしいとおもっていたので、そこの部分は残念でした。自分が勉強や部活でうまくいかなかったときに、マドリガルスコア2023には助けてもらいました。父のミスチヴィアスアレックスと同じように、ダートの短距離で活躍するとともにアメリカとか世界に向かって走ってほしいです。将来はJRAの厩務員になりたいです」と感極まった。
JRAが北海道静内農業高等学校の生産馬を購買するのは、2017年の北海道サマーセールにおいて5,616,000円(税込)で購買したゴートゥザノース2016(競走馬名ミラクルスクワート)以来。購買に立ち会ったJRA日高育成牧場浮島理場長は「線のきれいな馬でよく馴致、手入れもされていてとても良い馬だとおもい購入に至りました」と話した。8月28日に繋養先になる日高育成牧場へ移動し、今後はJRA育成馬として来年のJRAブリーズアップセールへ向けて育成調教される。
2,640,000円で売却されたのは、上場番号638番のナリタトップスター2023。父はケンタッキーダービー(G1)やドバイワールドC(G1)などを制覇し本邦初年度産駒から高知三冠馬プリフロオールインを送り出したアニマルキングダム、母の父はディープインパクトという血統で、2023年4月2日に生まれた黒鹿毛の牡馬になる。
せりは1,500,000円からスタート。すぐにオンラインからビッドが入り、複数のバイヤーによるせり合いが続き、最後は東京都の峰哲馬氏が購買した。
パレードリングの引き馬を担当した生産科学科馬事コース3年生で愛知県出身の小清水陽人さんは「パレードリングでは前の馬についていきたくなるのを抑えるので大変でした。ファーストビッドが入ったときは涙が出ました。自分たちがやってきたことが評価されて良かったです。なんでも克服できる子なので、レースで頑張ってもらって活躍してほしいです。将来は馬のことを教える教員になりたいです」。セール会場を担当した生産科学科馬事コース3年生で長野県出身の為田大樹さんは「複数から声がかかって盛り上がってせりが終わってうれしかったです。今までのおもいを込めてせりに臨みました。金額が上がっていくのは、気持ちも上がりました。多くの人に評価されているのを実感できてうれしかったです。ナリタトップスター2023はとてもやんちゃな性格をしていて、自分も足を踏まれて小指を骨折したのもいい思い出です。無事に競走馬になって、そのあとも乗用馬として学校に戻ってきてくれたらうれしいです。将来は種牡馬を管理する仕事がしたいです」と話した。