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ノースクイーンカップはラブラブパイロが勝利

  • 2024年07月26日
  • 「特に気を付けた」という返し馬
    「特に気を付けた」という返し馬
  • 早め先頭から堂々ゴール板を先頭で駆け抜けた
    早め先頭から堂々ゴール板を先頭で駆け抜けた
  • 鞍上の西啓太騎手は今年5つめの重賞勝利で通算7勝目
    鞍上の西啓太騎手は今年5つめの重賞勝利で通算7勝目
  • 笑顔でインタビューに答える西騎手
    笑顔でインタビューに答える西騎手
  • 荒井調教師(左端)にとっては18年優駿スプリント以来の重賞制覇となった
    荒井調教師(左端)にとっては18年優駿スプリント以来の重賞制覇となった

 グランダム・ジャパン古馬シーズンの第3戦であり、また牝馬限定のダートグレード競走「ブリーダーズ・ゴールドカップ(Jpn3)」への重要なステップレース「第23回ノースクイーンカップ」(JBC協会協賛ダノンスマッシュ賞)が7月18日、南関東からの遠征馬4頭を含めた12頭立てで、北海道の門別競馬場ダート1,800mで行われた。

 他地区から複数の参戦があって、レース前から混戦模様。その中で、人気を集めたのはJRAからホッカイドウ競馬を経て移籍した南関東で7勝をあげて再入厩を果たしたサンオークレア。このレースの前哨戦的意味合いを持つ「ヒダカソウカップ」を3馬身差で制して勢いに乗る5歳馬だ。当時、五十嵐調教師は「忙しい内回りコースが課題」と話していたが、それをあっさりとクリアして挑む外回りコース。オッズは2.0倍という人気を集めた。

 続いたのはヒダカソウカップでサンオークレアの後塵を拝したもののフロイラインカップでヴィヴィアンエイトをあっさりと退けた3歳馬ポルラノーチェ。ここ門別競馬場では5戦3勝2着1回という実績に加えて、底を見せていない実績とまだまだ成長秘める年齢からニューヒロイン誕生の期待も込めてオッズは3.3倍。

 やや離れた3番人気は南関東から参戦してきた東京シンデレラマイル2着のラブラブパイロ。かなり気難しいところがあるらしく、初の長距離輸送、初めての馬場、初めての環境に対して陣営はかなり気を使っていたようだが、南関東では重賞勝ちこそないものの、ほとんど掲示板以内という堅実な成績を積み上げている実績が評価されてオッズは6.9倍。そして再入厩初戦となった前走は案外だったもののNAR2歳最優秀牝馬、同3歳最優秀牝馬のタイトルを持つメイドイットマムが差のないオッズ7.0倍の4番人気となり、フロイラインカップ2着からの巻き返しを狙うヴィヴィアンエイトがオッズ9.6倍で続いていた。

 スタンド前からの発走は大きな出遅れなく一斉のスタート。押し出されるように先頭に立ったのは短い距離を使われてきたヴィヴィアンエイトと前走ヒダカソウカップで自分の競馬ができなかったカーロデスティーノがムチを入れながら先行する。この2頭が後続を離して逃げて、離れた3番手にウワサノシブコ。向こう正面に入ると前走逃げたメイドイットマム、船橋競馬所属ティーズハクア、人気のサンオークレアが並んで4-6番手を追走するも前半3ハロン通過は38秒5で、半マイル通過が51秒6というスローペース。こうした流れにしびれを切らしたようにラブラブパイロが向こう正面なかば過ぎから一気にポジションを上げて3角手前で先頭に立ったラブラブパイロがそのまま後続の追撃を振り切り、先頭でゴールを駆け抜けた。2着には外から追い上げたサンオークレアが入り、インコースを巧みに立ち回ったメイドイットマムが3着と復調の兆しを見せた。

 ラブラブパイロは日高町の小西ファームの生産馬。大井競馬場でデビューし、この勝利で通算成績を27戦8勝とした。

 ほとんどのレースで手綱を取った西啓太騎手は「抜け出してからちょっと遊ぶところはあったが、最後まで頑張ってくれた。力のある馬に乗せてもらえて嬉しい」と声を弾ませ、 荒井調教師は「慣れない環境には敏感な馬だが、少し馬が大人になってきたかな。久しぶりの重賞制覇は馬と、騎手と、スタッフが頑張ってくれたおかげ」と労った。