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シャトル種牡馬5頭が出国

  • 2024年07月23日
  • 初めてのシャトル供用になるパンサラッサ
    初めてのシャトル供用になるパンサラッサ
  • 初めてのシャトル供用になるベンバトル
    初めてのシャトル供用になるベンバトル
  • モーリスは8度目のシャトル供用
    モーリスは8度目のシャトル供用
  • 輸出検疫を行った日本軽種馬協会胆振輸出検疫施設
    輸出検疫を行った日本軽種馬協会胆振輸出検疫施設

 7月16日早朝、新ひだか町静内田原にあるアロースタッドにて種牡馬生活を送っているパンサラッサ、新冠町明和にあるビッグレッドファームにて種牡馬生活を送っているベンバトル、日高町富川東にあるブリーダーズ・スタリオン・ステーションにて種牡馬生活を送っているサトノアラジン、安平町早来源武にある社台スタリオンステーションにて種牡馬生活を送っているアドマイヤマーズとモーリスが、南半球における交配シーズン期間にシャトル供用されるため、新千歳空港から南半球へ向けて出国した。

 はじめてのシャトル供用となるパンサラッサは、父がロードカナロア、母がミスペンバリー、母の父がモンジューという鹿毛の7歳。現役時代は大胆な逃げを武器に活躍し、2023年のサウジC(G1)、2022年のドバイターフ(G1)、2022年の中山記念(G2)、2021年の福島記念(G3)などを制覇した。今年から種牡馬として供用を開始。種牡馬1年目は50頭ほどの繁殖牝馬と交配したという。

 南半球での供用先はオーストラリアにあるユーロンスタッド。現地での種付料は16,500オーストラリアドルになる。事務局の(株)ジェイエスによると「オーナーサイドでかなり優秀な競走成績、繁殖成績をもつ繁殖牝馬が多数用意されているようです」という。

 同じく、初めてのシャトル供用になるベンバトルは、父がドバウィ、母がナーレイン、母の父がセルカークという血統の10歳。現役時代は世界各国で活躍し、2018年のバイエリシェスツフトレネン(G1)、2018年のMRCコールフィールドS(G1)、2018年のドバイターフ(G1)など4か国で10の重賞競走を制覇した。2022年から種牡馬として供用を開始。名種牡馬ドバウィの後継として期待は大きく、種牡馬1年目は108頭、2年目は115頭に交配。3年目の今年は90頭以上に交配したという。

 南半球での供用先はオーストラリアにあるウッドサイドパークスタッド。現地での種付料は22,000オーストラリアドルになる。ウッドサイドパークスタッドのジェネラルマネージャーであるアンソニー・ブエティ氏は「ベンバトルのような優秀な種牡馬を繋養できることは楽しみです。また、(シンジケートの)ベンバトル会とビッグレッドファームが協力できたことを嬉しくおもいます」とコメントしている。

 2021年、2022年、2023年に続き4度目のシャトル供用となるアドマイヤマーズは8歳。今年日本でデビューした初年度産駒の2歳は、すでに3勝をあげる活躍を見せている。南半球での供用先はオーストラリアにあるアローフィールドスタッド。種付料は22,000オーストラリアドルになる。

 2017年、2018年、2019年、2021年、2022年、2023年に続き7度目のシャトル供用になるモーリスは13歳。南半球でデビューした産駒には2022年のATCオーストラリアンダービー(G1)などを制覇したヒトツ、2022年のBRCドゥームベン10,000S(G1)などを制覇したモズなどがいる。

 南半球での供用先は、アドマイヤマーズと同じオーストラリアにあるアローフィールドスタッド。現地での種付料は55,000オーストラリアドルになる。

 2018年、2019年、2021年、2022年、2023年に続き6度目のシャトル供用にあるサトノアラジンは13歳。南半球でデビューした産駒には2023年のATCオーストラリアンオークス(G1)などを制覇したペニーウェカ、2023年のホークスベイギニーズ(G2)などを制覇したランタンウェイなどがいる。

 南半球での供用先はニュージーランドにあるリッチヒルスタッド。現地での種付料は65,000ニュージーランドドルになる。

 5頭は日本での種付業務を早めに取りやめて7月1日に輸出検疫のため、白老町社台にある日本軽種馬協会胆振輸出検疫施設に移動。帰国は12月を予定している。