馬産地ニュース

八戸市場が開催される

  • 2024年07月04日
  • 最高価格「ショウリダバンザイ2023」落札シーン
    最高価格「ショウリダバンザイ2023」落札シーン
  • 最高価格「ショウリダバンザイ2023」
    最高価格「ショウリダバンザイ2023」
  • 高額2位「アドマイヤプルート2023」
    高額2位「アドマイヤプルート2023」
  • 牡馬最高価格「トガミサクラ2023」
    牡馬最高価格「トガミサクラ2023」
  • 高額4位「ドリームバラード2023」
    高額4位「ドリームバラード2023」
  • 高額5位「チビラーサン2023」
    高額5位「チビラーサン2023」
  • 挨拶する佐々木副組合長
    挨拶する佐々木副組合長

 青森県軽種馬生産農業協同組合(山内正孝代表理事組合長)が主催する「八戸“真”市場」が7月2日、県内八戸家畜市場で開催された。

 県内外で生産されたサラブレッド1歳28頭(牡15頭、牝13頭)が上場されて、うち21頭(牡11頭、牝10頭)を売却。売却率75.0%は前年比15.5pt増だったものの、上場頭数同14頭減が響いて総売上は前年比21,340,000円減少の69,960,000円(いずれも税込、以下同)だった。

 冒頭、青森県軽種馬生産農業協同組合の佐々木拓也副組合長は「数は少なくなってしまいましたが、粒揃いのラインナップを用意することができました。また、日本軽種馬協会の協力を得てオンラインビッドの導入、レポジトリー、ウォーキング動画の事前公開など購買しやすい環境を整えました。暑い日になりそうですが、せりを楽しんでください」とあいさつがあり、せりはスタートした。

 最高価格は、新ひだか町の(株)タイヘイ牧場生産「ショウリダバンザイ2023」(牝、父タワーオブロンドン)。父は2019年スプリンターズS(G1)など重賞5勝を挙げ、前週に初年度産駒がJRAで初勝利を記録したばかりの新進種牡馬で、母は浦和桜花賞、道営記念など地方重賞7勝含む10勝を挙げた活躍牝馬。奇しくも、昨年の八戸市場で最高価格を記録し、南関東の川崎競馬場で今や遅しとデビューを待っているエルガー(牝2歳)の全妹という血統。250万円のファーストビッドからスタートしたせりは10万円単位でテンポよくせり上がり500万円を突破。途中から20万円、30万円、50万円単位での争奪戦となり、10,450,000円で制したのは新ひだか町の(有)ノルマンディーファームだった。

 高額2位は、青森県のマルシチ牧場生産「アドマイヤプルート2023」(牝、父キセキ)。今年のシアンモア記念を制して、通算5つめの地方重賞を勝ったグランコージーの半妹という血統。JRA日本中央競馬会が6,050,000円で落札した。

 5,720,000円で高額3位となったのは青森県の荒谷牧場生産「トガミサクラ2023」(牡、父オールブラッシュ)。おばに3年連続NAR最優秀牝馬となったサルサディオーネがいる血統で、岩手県の高橋福三郎氏によって落札され、結果、この馬が牡馬の最高落札価格馬となった。

 セール終了後、佐々木市場長は「頭数は少なくなってしまったが、最終的には75%の売却率を記録できたのでほっとしています。この世代は不受胎、早期胚死滅などが重なり県内生産頭数が極端に少ない年でしたが、上場馬は粒揃いだったと思います。今回の取引馬が、競走馬となり八戸市場の名前を高めてくれるものと信じています。来年は活気ある市場を開催したいと思います」と次年度の開催にむけて意気込みを見せた。

 なお、オンラインビッドによる落札はなかったが、ウォーキング動画や四肢レントゲン、上部気道内視鏡動画などが閲覧できるJBIS内「下見サイト」は延べ2,554回閲覧され、せりの間のみ表示される「結果速報」は70分の間に9,783件のアクセスがあったという。

 佐々木副組合長は「オンラインビッドの導入で、世界のどこにいても八戸市場に参加できるようになり、可能性が広がったと思う。また、購買者の方からは事前にレポジトリー情報が確認できるようになったと好評を得ています。今回、落札には至らなかったですが、せりの間もログイン数を確認することができ、とても心強かった」と手応えを感じ取っていた。