馬産地ニュース

現役調教師による座談会が行われる

  • 2024年07月04日
  • 講師を務めた平山真希調教師
    講師を務めた平山真希調教師
  • 会場には100人以上の牧場関係者が集まった
    会場には100人以上の牧場関係者が集まった
  • 出席者からの質問にも真摯に答えた
    出席者からの質問にも真摯に答えた

 6月27日夜、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC:草野広実理事長)は、浦河町大通にある浦河ウエリントンホテル2階ウエリントンホールにおいて、現役調教師を招いての座談会を開催した。

 この座談会はBTCとBTC利用者振興会(谷川寿郎会長)の主催で、JRA日高育成牧場(浮島理場長)とひだか東農業協同組合(桑田美智代代表理事組合長)が後援。講師には南関東・浦和競馬の平山真希調教師を招いた。当日は夜遅くからの開催にもかかわらず、BTC利用者振興会会員牧場のスタッフや浦河地区の生産者、BTCの育成調教技術者養成研修第42期生、公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場の生産育成技術者研修第46期生などが出席した。

 講師として招かれた平山調教師は、1980年生まれ、千葉県出身。父親が休養馬やデビュー前の競走馬を扱う牧場で働いていたため、小さいころから自然と馬が好きになり、気づいたころには父親と一緒に馬に乗り、自然な流れで騎手を目指したという。

 地方競馬教養センター長期騎手課程第71期生になり2000年3月、地方競馬騎手免許を取得し、南関東・浦和競馬の一ノ瀬司厩舎からデビュー。2000年5月30日に浦和競馬の第7競走でドウカンパッサーに騎乗し、デビュー12戦目で初勝利を記録した。2011年に地方競馬調教師免許試験に合格し、856戦25勝の成績を残し騎手を引退。2011年8月8日の浦和競馬第1競走において、ジュピタービギンで初出走初勝利を記録した。女性調教師での管理馬初出走初勝利は史上初の偉業となった。2021年には46勝をあげ浦和リーディング2位。2022年は44勝で同3位。2023年は同2位と活躍。今年5月23日には浦和競馬の第3競走において、ポップコーンで勝利し通算500勝を達成した。ポップコーンはくしくもBTC調教場利用馬だったという。

 「~女性ホースマンの活躍への期待~」と題した座談会で、平山調教師は騎手になったきっかけや調教師になった動機などを説明。事前に平山調教師に寄せられた「騎手になるために最も努力したことは?」、「女性として体力の限界を感じることはありましたか?」、「落馬した後にいやになることはなかったですか?」、「挫折から立ち直る方法は?モチベーションを保つためには?」、「引っかかる馬はどのように御してましたか?」、「女性騎手としてデビューした時の苦労にはどんなことがありましたか?」、「調教師になることを決めたきっかけは?」、「調教師としてよい成績を上げられる要因は?」、「生産牧場や育成牧場に求めることは何ですか?」、「これまで一番取り扱いが難しかった馬はどんな馬でどのような対処をしましたか?」、「レースに向けて馬の能力を最大限に生かすのにどのようなことをしていますか?」といった質問にも丁寧に答え、「馬主様や従業員、牧場関係者、競馬関係者など多くの関係者に恵まれたことでこのような成績を上げられているのだとおもいます」と振り返った。

 また、近年増えてきている女性ホースマンに対しては「男性、女性という枠がなくなるのが一番とおもいます。ただ、女性ならではの取扱いができるというのは魅力ではあります。男性、女性にかかわらず、みんなで協力していくのが一番。子育てしながら仕事ができる環境が整えば女性ホースマンが増えていくとおもいます」と持論を述べ、生産地で働くホースマンへは「競馬はたくさんの方に支えられ開催しています。生産者、育成牧場、騎手、厩務員、馬主など関係者の思いを乗せてレースに出走させています。みなさまの頑張りが、わたしたちがレースに出走させているうえで重要になってきますので、感謝しかありません。これからも良い馬を競馬場に送り出していただけたら幸いです。よろしくお願いいたします」と感謝の気持ちを伝えた。