育成技術講習会が開催される
6月20日夜、新ひだか町静内古川町にある新ひだか町公民館・コミュニティセンターにおいて、育成技術講習会2024が開催された。
この講習会は公益社団法人競走馬育成協会が主催し、JRA日本中央競馬会、公益財団法人軽種馬育成調教センターが共催。当日は夜からの開会にもかかわらず、日高管内や胆振管内の生産者や育成調教技術者など約120人が集まった。
講習会の開催にあたり、主催者を代表して公益社団法人競走馬育成協会北海道支部の荻野豊支部長は「本日はご多忙のところ、多数の方にご出席いただきまして誠にありがとうございます。当会主催の育成技術講習会は、今回で11回目となり、たいへん好評をいただいております。いつもと異なり、6月に開催するのは、暑熱対策の講習をさせていただくためです。今回のテーマは、育成馬の栄養管理と競走馬の暑熱対策についての二本立てです。栄養管理については2019年以来5年ぶりの開催です。暑熱対策については、昨年の秋のアンケートで、再度せり直前に実施してほしいという要望を踏まえて開催させていただくものです。栄養管理については、新たな知見を踏まえながら、お話をしていただきますが、全世界的な天候不順により、昨今飼料が高騰しております。代替えできる飼料は何かと、みなさまが直面している悩みなどをお聞かせください」とあいさつした。
「育成馬の栄養管理」をテーマに講演したJRA日高育成牧場の松井朗上席調査役は、平成4年にJRAに入会。以来、現在まで馬の栄養をライフワークに研究を続け、学会や講習会でその調査研究を発表している。講演のなかで松井上席調査役は発育期整形外科疾患(DOD)の予防や故障なく質の高いトレーニングができる栄養管理について言及した。
「競走馬の暑熱対策について」を演題に講演したJRA日高育成牧場の大村一副場長は1995年にJRAに入会。美浦トレーニングセンター競走馬診療所、競走馬総合研究所運動科学研究室、日高育成牧場生産育成研究室、カリフォルニア大学デービス校でポスドクなどにおいて、競走馬の心肺機能やトレーニングに関する研究を長きに渡り取り組んで、獣医学博士号を取得した。今年3月にJRA日高育成牧場の副場長に赴任したという。
講演のなかで、大村副場長は、熱中症と熱さ指数(WBGT)、暑熱環境が馬の生理機能に与える影響、効果的な冷却方法、暑熱下での体調管理について、東京2020オリンピックで行った対策などを示した。