赤レンガ記念はベルピットが勝利
JBC協会協賛 カウントアップチャレンジ2024「カウントアップM」の対象レースとなっている第61回赤レンガ記念(テーオーケインズ賞)が6月20日、門別競馬場で行われ、圧倒的1番人気に支持されたベルピットが2着シルトプレに6馬身差をつけて圧勝。通算成績を15戦11勝2着2回3着1回(重賞7勝)とし、総賞金を6,690万円とした。
「もう、2歳競馬だけのホッカイドウ競馬」などとは言わせない。ホッカイドウ競馬の三冠馬、二冠馬VSダートグレード2勝の古豪ケイアイパープルの図式となった第61回赤レンガ記念。ファンが期待を寄せた生え抜き2頭による一騎打ちと呼ぶにはあまりに大きな着差となったが、ベルピットの走りは「ホッカイドウ競馬から全国へ」と期待が膨らむものとなった。
ベルピットは日高町の厚賀古川牧場生産馬で北海道市場サマーセール取引馬。ダートの名種牡馬パイロ産駒で、母ベルラインもJRAで3勝のち、園田競馬の「六甲盃」を勝つなどNARで6勝をあげた活躍牝馬だ。力強い逃げ脚質を武器に2歳時にはブリーダーズゴールドジュニアC、サッポロクラシックCに優勝。JBC2歳優駿(Jpn3)は2着と敗れたものの昨年は北斗盃、北海優駿、王冠賞と勝ち進み史上7頭目となるホッカイドウ競馬三冠馬となった期待のホープだった。
一方、1歳年上のシルトプレは北斗盃、北海優駿の2冠馬。3冠が期待された王冠賞は馬場にも恵まれずエンリルの逃げ切りを許す2着だったが、遠征したダービーグランプリで全国レベルを証明し、昨年はエルムS (G3)5着、日本テレビ盃(Jpn2)5着のち道営記念に勝利するなど今シーズンのホッカイドウ競馬を背負って立つ存在と期待されていた。今シーズンは川崎記念(Jpn1)から始動。輸送もあって大きく馬体重を減らしたこともあり実力を発揮できず、コスモバルク記念は不本意にもデビュー以来初めて逃げる形になってベルピットの軍門に下っただけに、今回は王者として背水の陣。もう負けられない1戦となっていた。
スタートに不安を残すベルピットがヨレたようなスタートとなったが、距離を意識してそれぞれが相手の出方を伺うようにスタンド前を通過する。押し出されるようにハナを切ったのはケイアイパープルで、スワーヴアラミスが2番手。彼らが作り出す13秒8、11秒8とゆったりとした流れにベルピットがシルトプレを交わして3番手にあがるも、流れは変わらずさらに12秒8、13秒2とペースダウン。半マイル通過が51秒6、前半1,000m64秒5という我慢比べのような流れとなった。
隊列が決まれば、そこは歴戦の雄たち。レース後にベルピットの桑村騎手は「やや折り合いを欠いてしまった」と頭をかいたものの、ギリギリのところで愛馬をなだめながら向こう正面を通過する。ペースが上がって最初に脱落したのはスワーヴアラミス。「もう、待ちきれない」とばかりに桑村騎手が〝持ったまま〟でこれを交わし、そのまま残り600m標識を前に先頭へと躍り出る。2~3馬身後方でこれを見ていた石川騎手はインへと誘導して抵抗しようとするも脚色の違いは歴然としており、最後の1ハロンを11秒9で走られてしまってはお手上げだ。
「次走は未定ですが、全国へ行っても恥ずかしくない馬」と桑村騎手。角川調教師は「パドックでいつになくイレ込んでいたのが気になったが、レースは安心してみていられた。暑い時期は得意ではないようなので、目標は道営記念」と慎重な構えを見せたが「もっと流れが速くなれば、今以上に力が出せる」と手応えを感じ取っている様子だった。