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栄冠賞はベラジオゼロ重賞初勝利

  • 2024年06月21日
  • 「前走からの疲れもなく、しっかりと仕上げられた」と田中調教師
    「前走からの疲れもなく、しっかりと仕上げられた」と田中調教師
  • 安定した内容で3連勝のベラジオゼロ
    安定した内容で3連勝のベラジオゼロ
  • 2022年生まれ世代最初の重賞勝ち馬となった
    2022年生まれ世代最初の重賞勝ち馬となった
  • 佐賀から移籍して「勝ちたいレースだった」栄冠賞2連覇の岩橋騎手
    佐賀から移籍して「勝ちたいレースだった」栄冠賞2連覇の岩橋騎手
  • 喜びの関係者
    喜びの関係者

 ホッカイドウ競馬所属馬限定とはいえ2022年生まれ世代のサラブレッドにとって最初の重賞競走「第49回栄冠賞」(JBC協会協賛モズアスコット賞)が6月19日、門別競馬場で行われた。

 この日までにホッカイドウ競馬で勝ち上がった2歳馬は47頭。その頂点を決めるレースで人気を集めたのは4月のフレッシュチャレンジ競走を7馬身差で勝利し、5月のウィナーズチャレンジ競走ではホッカイドウ競馬最初の2勝馬となったベラジオゼロ。日高町の豊洋牧場生産馬で、北海道市場セプテンバーセール取引馬のベラジオゼロ。前走のウィナーズチャレンジ競走は前後半3ハロンが37秒3、37秒2というスローペースの流れを2番手追走。しっかりと対応してレースセンスの高さを示し単勝オッズ1.8倍の支持を集めていた。2番人気は、そのウィナーズチャレンジでクビ差2着と健闘したウィルオレオール。推定上がり3ハロンは37秒0で同じだが、道中の位置取りはこちらの方が後ろだっただけにゴール前の脚色は優勢にも見えた。ハイペース必至と見られていた今回は逆転も可能とみる向きも多くオッズ3.9倍。そしてデビュー戦の時計はベラジオゼロを上回るゼロアワーが3番人気のオッズ5.8倍。これらに続く4番人気は22年のフローラルC、リリーCを連勝したスティールグレイスの半妹スティールブライトの8.5倍と続いていた。

 レースは内枠のシングアウト、エイシンマジョルカが立ち遅れ、人気の一角ゼロアワーも二の脚つかずに後方に。先手を奪ったのはスーパーフレッシュチャレンジ競走に勝ち、前走のウィナーズチャレンジ競走でもレースを引っ張ったゲクウ。これにアタックチャレンジ競走を逃げ切ったボディコンシャスが続き、「いつもよりもテンションが高く、一歩目が出なかった」(岩橋騎手)がいうベラジオゼロは、それでも好位3番手。前半2ハロンは23秒3だから、前送ウィナーズチャレンジよりも0秒9速い。そこへゼロアワーが気合を付けられながら好位に取り付き、その後ろにスティールブライト、ウィルオレオール。人気を集めた馬同士ががっぷりと四つに組んでの力勝負となった。前半3ハロン通過ラップは35秒8だから、前走よりも1秒5も速い。4角を回って直線に向くとまずゲクウが脱落し、内からゼロアワー、外からボディコンシャス、そしてベラジオゼロ。直線なかばでボディコンシャスが力尽きると、それに代わってウィルオレオールが脚を伸ばすも「追ってからしっかりした馬」というベラジオゼロが先頭でゴールへと飛び込んだ。最後の3ハロンは12秒8、12秒9、13秒1という消耗戦。3着にはゼロアワーが粘り意地を見せている。勝ち時計は前走とほぼ変わらないものだったが、どのようなペースにもタイプできるベラジオゼロの強さが目立ったレースでもあった。

 管理した田中淳司調教師は前日のフロイラインCに続く重賞勝利で通算97勝目。岩橋騎手はグランシャリオ門別スプリントに続く重賞勝利で今年3勝目、通算32勝目。

 岩橋騎手は「まだ課題は残るけれども、もっと強くなれる馬」と愛馬を称え、田中淳司調教師は「リフレッシュしたのちは長い距離にもチャレンジしたい。対応してくれるはず」と3戦3勝の期待馬に信頼を寄せていた。