馬産地ニュース

ノースヒルズで開場40周年記念式典が開催される

  • 2024年05月29日
  • 挨拶する前田幸治ノースヒルズ代表取締役会長
    挨拶する前田幸治ノースヒルズ代表取締役会長
  • 新冠町、日高町、鳥取県伯耆町に寄付金を贈呈した
    新冠町、日高町、鳥取県伯耆町に寄付金を贈呈した
  • 雨の中行われたコントレイル産駒の当歳馬展示
    雨の中行われたコントレイル産駒の当歳馬展示

 5月13日、新冠町美宇にあるノースヒルズにおいて、開場40周年記念式典が開催された。

 開場40周年式典には、ノースヒルズとゆかりのある武豊騎手、川田将雅騎手、戸崎圭太騎手、矢作芳人調教師、福永祐一調教師、馬主、JRA関係者など約500人が出席。ノースヒルズの前田幸治代表取締役会長は「足もとの悪いなか、ありがとうございます。いまから42年前、日本一美しい牧場をつくるということで、この地をお世話していただきました。原野で地形もなにもわかりませんでした」と開場当初の思い出や、その後の日本ダービー(G1)3回制覇といったよろこびを振り返り「馬はいいお母さん、いい種馬、いい草、それにいいスタッフです。みな、目が輝いています」とあいさつした。

 続いて、ノースヒルズの福田洋志代表取締役社長が、三元育成を行っている新冠町、日高町、大山ヒルズがある鳥取県伯耆町に対し日頃の感謝を込めて1,000万円の寄付金を贈呈。前田会長の長男である前田幸貴氏は「ノースヒルズ開場40周年記念式典に多数のご参加いただきましたことを、厚く御礼申し上げます。競馬は1回のよろこびと9回の落胆と、父は申しますが、1頭のサラブレッドを通して、その馬に携わるすべての方と同じおもいを共感し、分かち合うことができます。わたしはこのように素晴らしい経験ができる競馬サークルの一員であることを、大変うれしくおもうと同時に、いまここに、今日のノースヒルズがありますのは、本日お集りのみなさまのご支援の賜物であると、深く感謝申し上げます。これまでの40年以上に、大きな夢や目標を達成することは容易なことではありませんが、ノースヒルズが築いてきた歴史と伝統に恥じぬよう、チームノースヒルズスタッフ一同、チャレンジング・スピリットをモットーに精進してまいりますので、どうかみなさまにはよりいっそうのご支援、ご鞭撻を賜りたく、なにとぞよろしくお願い申し上げます」とお礼の言葉を述べた。

 祝宴に入るとノースヒルズで今春誕生したコントレイルを父に持つ当歳とその母をお披露目。会場をノースヒルズ清畠へ移してからは、ノースヒルズが昨年のセレクトセール当歳セッションにおいて、572,000,000円(税込)で購買したコンヴィクションⅡの2023といったコントレイルの初年度産駒12頭が披露された。

 ノースヒルズは1984年、「日本一美しい牧場を造る」という壮大な夢を描き、マエコウファームを開場。現在は繁殖牝馬約80頭を管理する新冠町の本場と分場のほか、1歳馬の中期育成を行うノースヒルズ清畠がある。2026年にはノースヒルズ清畠Ⅱの開場を予定。新冠での生産、清畠での中期育成、大山ヒルズでの調教育成という三元育成を実現し、世界に通用する馬づくりを目指し挑戦を続けている。

 生産馬の活躍は目覚ましく、1998年にはファレノプシスで桜花賞(G1)に勝利。2013年にはキズナが、2014年にはワンアンドオンリーが日本ダービー(G1)に優勝し、2020年にはコントレイルが日本ダービー(G1)を含め無敗でクラシック三冠を達成。いまやノースヒルズの名は、世界のホースマン、競馬ファンに知られる存在として確固たる地位を築いている。