馬産地ニュース

千葉サラブレッドセールが開催される

  • 2024年05月14日
  • 舞台となった船橋競馬場
    舞台となった船橋競馬場
  • 牝馬ながらに最高価格を記録したスクラッタの22
    牝馬ながらに最高価格を記録したスクラッタの22
  • 牡馬最高価格となった「キャンディネバダの22」
    牡馬最高価格となった「キャンディネバダの22」
  • べラジオオペラの林田オーナー(中央)に感謝状が贈られた
    べラジオオペラの林田オーナー(中央)に感謝状が贈られた
  • 2ハロン最速を記録したアンリミテッドバジェットの22(内)とストロボフラッシュの22(外)
    2ハロン最速を記録したアンリミテッドバジェットの22(内)とストロボフラッシュの22(外)
  • 1ハロン最速を記録したオメガエンブレムの22(内)スクラッタの22(外)
    1ハロン最速を記録したオメガエンブレムの22(内)スクラッタの22(外)

 今年の大阪杯(G1)優勝馬ベラジオオペラや東京大賞典(G1)4連覇オメガパフュームなどの出身市場として知られる「千葉サラブレッドセール」(主催・千葉県両総馬匹農業協同組合)が5月10日、千葉県の船橋競馬場で行われた。同競馬場で行われるのは2年連続19回目。

 ラインナップされたのは前年比11頭減の47頭(牡23頭、牝24頭)。結果は、そのすべてが1,425,820,000円(税込み、以下同)で売却された。船橋競馬場を舞台に行われた同セールで100%の売却率を記録したのは初めてのこと。上場頭数の減少に伴い、総売り上げは前年比13,750,000円ほど少なくなったが、1頭あたりの平均価格は4,162,595円 (15.9%) 高の30,336,595円とセール史上初めて3,000万円の大台に乗せた。購買者登録は前年比20名減の348名。うち、オンラインビッド参加希望の購買登録者数は63名で、28名がせりに参加。5頭を102,300,000円で落札している。

 午前8時からスタートした公開調教は、おもに併せ馬で47頭が25組に分かれて行われた。育成馬46頭を送り出した社台ファームでは「牧場で速いタイムを記録していることに加えて、長距離輸送の影響も考えて時計にはこだわらない」と話していたように、全体でやや手控えた内容。それでも、多くの馬がほぼ〝馬ナリ〟で見た目以上のタイムを掲示して、仕上がりの良さをアピールしていた。

 その中で最高価格を記録したのは「スクラッタの22」(牝、父ナダル)。先に行われたJRAブリーズアップセールでも最高価格を記録した期待の新種牡馬産駒で、近親には牝馬ながらに羽田盃2着、東京ダービー3着エミーズパラダイスや、最優秀2歳牡馬ディラクエ、あるいは福島記念(G3)に勝ったホウオウエミーズがいるファミリー。この日は本橋孝太騎手を背に2ハロンから25秒9、11秒4をマーク。4月17日に社台ファームの坂路コースで行われた牧場追いきりでは2ハロンから21秒5、11秒0を記録しており注目の1頭だった。1,800万円からスタートしたせりは会場の内外から声がかかって最終的には121,000,000円で「リアライズ」の今福洋介氏が落札した。

 牡馬では「キャンディネバダの22」(牡、父レイデオロ)。半兄にダノンマデイラがいる血統で、母キャンディネバダはアルゼンチンの1000ギニー(G1)優勝馬。当日の公開調教では2ハロンの最速25秒2をマークし、最後の1ハロンは11秒9。牧場でも22秒8、11秒5と安定して走りを披露していた。こちらは「ベラジオ」の林田祥来氏が92,400,000円で落札している。

 なお、2ハロン計測で25秒1の最速タイムを記録したアンリミテッドバジェットの22(牝、父オルフェーヴル)は33,000,000円でRepole Stableが、ストロボフラッシュの22(牝、父ジャスタウェイ)は22,000,000円で前田良平氏が落札し、最高価格で落札されたスクラッタの22と併走で1ハロンを最速の11秒4で駆け抜けたオメガエンブレムの22(牝、父パドトロワ)は成塚清志氏によって34,100,000円で購入された。

 セール終了後、主催した吉田代表理事組合長は「良いセールが出来たと思います。近年は1歳市場が盛況で馬を揃えるのが大変になってきましたが、そういう状況の中では良い馬を揃えられたと思いますし、せりに向けてしっかり仕上げられたと思います。それと、牧場従業員にとっても得られるものが多い。来年に向けて気を引き締めたいし、今回取引された馬たちは活躍してくれると思います」と笑顔でセールを振り返った。