コスモバルク記念は1番人気ベルピットが6馬身差で勝利
かつて、ホッカイドウ競馬に在籍したまま国内外のG1競走に挑戦し続けた名馬コスモバルクの名を冠した「第14回コスモバルク記念」が9日、門別競馬場で行われ、2番手追走から直線入り口で先頭に立った桑村真明騎手騎乗の1番人気ベルピット(牡4、北海道・角川秀樹厩舎)が、3番人気スワーヴアラミスに6馬身差をつけて1着賞金の600万円を獲得した。通算成績は14戦10勝2着2回。勝ちタイムは1分53秒6(稍重)。
角川秀樹調教師はコスモバルク記念3勝目、騎乗した桑村真明騎手はコスモバルク記念初勝利となった。
コスモバルクのように過去の優勝馬の多くが、このレースをステップに全国へと羽ばたいてきた中距離重賞。今年は今シーズン初戦を圧勝した昨年の三冠馬ベルピットと連覇を狙うシルトプレが1.3倍と3.1倍で人気を分け合い、南関東からの転入初戦ながらも昨年の日本テレビ盃(Jpn2)でウシュバテソーロの3着という実績がある9歳馬スワーヴアラミスが6.8倍でこれらに続いた。
レースは意外な形で進行した。「もともと(ゲートは)悪いところがある」というベルピットがアオリ気味のスタート。行く気を見せたのは1,200mのレースを使ってきたダイメイコリーダだったが、最初の1ハロンは13秒8とそれぞれが他の馬の出方を伺うようなペースとなり、これを制するようにシルトプレとベルピットが併走状態で1コーナーへと向かいコーナーワークを利してシルトプレが先頭に立ち、ベルピットがこれを追う形となった。角川調教師をして「まったく想定していなかった」という展開となったが、この2頭が前にいれば、他馬は動くわけにはいかず、前半3ハロンは38秒7で、半マイル通過が51秒5とメンバーと馬場状態を考えればスローペース。桑村騎手は「とにかく馬とケンカしないように。外枠だったこともあってもまれない位置で流れに乗ることができた」と相手にプレッシャーをかけるような位置でレースを進め、スワーヴアラミスはこれらから5-6馬身後方のマイポジション。
レースが動いたのは4角手前。「道中はいつでも動けるような手応えだったが、動き出したときの手応えはすさまじいもの。交わした時には勝ちを確信した」と桑村騎手が振り返ったようにあっさりと交わして先頭に。心折れて失速するシルトプレをスワーヴアラミスが交わしたが、ベルピットはその6馬身前で悠々と先頭ゴールインを果たしている。
それでも角川調教師は「ゲートに関しては、これからも気を付けていかなければならない」とピシャリ。その言葉の裏には「この勝利で選択肢が広がった。シーズン閉幕後になると思うが、全国へと送り出したい」という決意があるからに他ならない。
コスモバルク記念からまた1頭。全国レベルの馬が誕生したようだ。